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トヨタ社長 vs 日本政府…「脱炭素」をめぐるバトルで「これから起きること」

日本はどこへ向かうべきか

日本自動車工業界会長でトヨタ自動車社長の豊田章男氏が、「脱炭素」を実現するのは容易なことではなく、政府による本格的な後押しが必要不可欠であると強く主張したことが話題となっている。

自動車産業は大量のCO2を排出する部門だが、脱炭素は社会システム全体に関わる話である。豊田氏が主張するように自動車業界だけで対応できるような話ではない。

一方で、自動車は日本の基幹産業であり、トヨタはその頂点に立つ企業である。世界各国が急ピッチで脱炭素にシフトする中、日本は国家としてどのような脱炭素戦略を立案するのか、本来なら自動車業界こそが国家的な議論をリードすべきだった。トヨタが世界企業だというのなら、これまでの対応は政府と同様、かなり受動的だったといわざるを得ないだろう。

いずれにせよ菅政権は2050年までの排出量ゼロを宣言したので、もはや賽(さい)は投げられた。新興国として大量の二酸化炭素を排出せざるを得なかった中国や、もともと脱炭素に否定的だった米国ですら脱炭素にシフトしている現状を考えると、日本だけが従来の消極目標を維持するという選択肢は存在しない。これからは国をあげて脱炭素政策を進めていくしか道はない。

豊田章男氏〔PHOTO〕Gettyimages
 

日本のCO2排出量は諸外国よりもかなり多い

豊田氏は2020年12月17日、政府が打ち出した「2050年までの温暖化ガス排出量実質ゼロ」政策について、自動車業界としての見解を示した。豊田氏は、仮にすべての自動車がEV(電気自動車)になった場合、ピーク時の発電能力について10~15%増強する必要があると述べた。またEV化に伴う充電設備については14兆~37兆円ものインフラ投資が必要になると指摘している。