福岡・糸島で活動を始めて、今年で11年目。生産者と積極的に触れ合い、絆を深めながら、活動範囲を広げてきた料理家・広沢京子さんが、久留米、八女へ小さな旅に出かけました。人に触れモノに触れ、見えてきたものは?

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●情報は、2020年2月現在のものです。

生産者へのリスペクトと
愛に満ちたロースタリー。

〈コーヒーカウンティ〉で、コーヒー豆の相談。打てば響く応対に、すんなりと買うべきものが決まる。エチオピアをリスペクトしているという代表の森さんと江口さん。エチオピアのプリミティブな木の椅子が店のアクセントになっている。/コーヒーカウンティ KURUME 福岡県久留米市通町102-8 ☎0942-27-9499

広沢さんが次に訪れたのは、同じく久留米にある〈コーヒーカウンティ〉。広沢家御用達の豆はこちらのものだという。駐車場に車を停めた途端、いい香りが漂ってきた。香りに誘われて店のドアを開けると、大きなロースターがザザザッと音を立てながら回っていた。ああ、何といい香りだろう。ここは2013年オープンのロースタリーだ。

ハンドドリップで丁寧にコーヒーをいれてもらう。蕎麦ではないが、挽き立て、いれ立ての香りが素晴らしい。

ロースト風景や注文に応じてコーヒーをいれるところ、問題のある豆をハンドピックしているところ……と作業はすべてオープン。このライブ感がたまらない。スタッフ全員、真摯に仕事をしている様子が見てとれる。この何ともいえない緊張感が清々しい。

〈コーヒーカウンティ〉のカフェ・スペース。エチオピアの椅子がアクセント。

代表の森崇顕さんと〈コーヒーカウンティ〉を立ち上げた店長の江口啓太郎さんに話を聞く。「コーヒー豆の産地の個性を生かしたいので、浅煎りにしています」。毎年、中米の産地に(昨年はコロンビアへ)足を運び、また、2年に一度はエチオピアに赴き、生産農家としっかり交流を重ねて取り扱う豆には、特別な思い入れがある。

たとえば、ニカラグアのエンバハーダ農園の豆には、「当店が共に歩んできた農園。昨年は収穫が無く、2年ぶりのリリース、当店にしかない特別のロットです。ピーチやマスカットのような瑞々しい果実感と柔らかな質感、ダージリンティのようなエレガントな余韻が続きます」というように、“熱い”コメントがどの豆にも付けられ、ウェブサイトを見れば、細かなバックストーリーが丁寧に書かれている。

みんなに生産者の思いを届けたいという強い意志が、店全体から感じられる。スタッフに相談し、飲み比べもしてから求めたい。

九州ちくごは元気! そして魅力いっぱい

広沢さん、お望みの豆を買い求め、カフェ・スペースでコーヒーを一杯。ひと息ついたところで、「さ、次に行きましょう」