2020.12.26
# ライフ

想像以上に搾取される保育士たち…良い保育園と悪い保育園の「決定的な差」

データから見えてくる「重要ポイント」
小林 美希 プロフィール

保育園の財務情報を知るには

まず気になるのは保育士の賃金。都内の保育園に限られるが、東京都福祉保健局では、「とうきょう子供・子育て施設ポータル こぽる」を開設しており、誰でも都内の保育園について調べることができる。市区町村にどういった保育園があるか検索できるだけではない。

個々の施設の紹介欄に、直近年度の「財務情報」と「モデル賃金」のPDFが掲載されていることが画期的だ。この2つの資料は、都が独自に行う保育士の処遇改善費を受け取る施設が都に提出するもので、職員や保護者にも提示しなければ補助金返還しなければならないというものとなる。

財務情報には、保育園の収入と支出の内訳が示される。都内の認可保育園であれば、定員70人前後でおおよそ1億5000万円前後の収入がある。

人件費支出のなかでも、常勤、非常勤、派遣ごとの金額があるため、派遣の保育士が多いかどうかが分かる。派遣にかかる支出が多ければ、保育士が急に辞めて人材確保が困難であるということがうかがえ、安定した保育が行えているかの判断材料になるだろう。

 

人件費について財務情報2枚目には、人件費比率が掲載され、職員の平均経験年数も記載されている。

認可保育園の運営費(委託費)は、国、都道府県、市区町村の税金と保護者が支払う保育料から支給される。

地域や定員規模、園児の年齢と人数によって決められた「公定価格」には保育に必要な経費が積算されている。国は公定価格の基本分単価を基にした8割が人件費、残り1割ずつが、事業費(給食材料費や保育材料費など)、管理費・事務費(福利厚生費、業務委託費、賃料など)と見積もって支給している。

そのため、財務情報に記載されている人件費比率が8割を著しく下回っている場合、保育士が低賃金である可能性がある。

ただ、給食を作る調理員や栄養士を業務委託している場合、人件費ではなく業務委託費に計上するため、その分の人件費だけ比率が低くなる。

反対に、人件費比率が高くても園長や用務員などの立場の親族だけが年収1000万円、2000万円を得ているだけで、肝心の保育士が年収200万~300万円台ということもある。

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