元ラグビー日本代表メンタルコーチが提案する「組織を変革に導くリーダーシップ」

荒木 香織

リーダーシップは才能ではなく技術

ただし、今の日本はその美点をうまく活かせていない気がします。以前は終身雇用が徹底しており、年長者の背中を見て学ぶことができました。「成功の法則」が可視化できていたのです。

ところが、今はその「伝え方」が時代に合わなくなりました。終身雇用は崩れ、転職は当たり前になり、出社せずに在宅で働く人もいます。働き方自体が変化しただけでなく、成功の法則も複雑化しています。前を歩く先人も、後ろを追う若者も皆、困惑しているのです。そんな今こそ、変革を作り出すリーダーシップが必要です。

 

欧米や日本で「組織におけるリーダーシップ」を見て学んできた私がもっともお伝えしたいのは、リーダーシップはスキルであり、鍛えることができるという点です。特別な才能のある人だけが持ち合わせる「資質」ではなく、誰でも伸ばすことができる「技術」なのです。つまり、技術を習得するための適切な取り組みを理解すれば、リーダーシップは誰にでも身に付けることができるのです。

私は、就職氷河期と言われる1995年に就職活動をして社会に出ました。ロストジェネレーションと呼ばれる世代のど真ん中です。競争社会をようやく生き抜いて辿り着いたら、パワーハラスメントやセクシャルハラスメントが待っていた。今の30代後半から40代はそんな世代です。

私は、日本で様々な組織を見守りながら、いつもこう思っていました。私たちロスジェネ世代がリーダー世代となったあかつきには、これまでにない、新しいリーダーシップを持って下の世代を育成したい。「失われた時代」の人間たちこそ、日本が失っていたものを取り戻す原動力になれるのではないか、と。

なぜなら、私たちにはもう失うものがないからです。ゼロからのチャレンジができるのです。

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