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「人食いバクテリア」の恐怖…臓器障害のうえ、手足が壊死して亡くなることも

感染症患者をどうやって解剖するか
上野樹里さんが主演を務める月9ドラマ『監察医 朝顔』が大ヒット放送中だ。原作漫画の監修を担当した法医学者の佐藤喜宣杏林大学名誉教授は、これまで1万体を検死、5000体を解剖してきた死因究明のスペシャリストでもある。そんな佐藤氏の初の著書『生きるための法医学』から、感染症患者の解剖に関するエピソードを一部編集のうえで紹介する。
 

「人食いバクテリア」の恐怖

これまで感染症に関しては、結核やヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症等で亡くなられた方の解剖を担当してきました。 

中でも最も恐怖を感じたのは「人食いバクテリア」で亡くなられた方の解剖でした。 

致死率30%とも言われている人食いバクテリアは「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」とも呼ばれ、感染したら治りにくく、臓器障害が現れる敗血症を起こし、患部は恐ろしいまでに腫れ上がります。

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人食いバクテリアに関しては、ワクチンもないので、発症すると急速に症状が悪化し、手足が壊死して死に至ることもあります。

極端に体力や免疫力が弱っている時なら誰でもかかりやすい感染症で、その細菌は虫さされや切り傷といったわずかな傷口から体内に侵入し、細胞を壊死させ、組織を壊していきます。 

抗生物質が効かない耐性菌となっていくケースも多いので、糖尿病を患っている人や抗がん剤を投与している等、免疫力が弱まっている人にとってはとくに危険です。

必要以上に心配し過ぎることはありませんが、マスクの装着とうがい手洗いの徹底、そして傷口を清潔に保つといったことが予防になります。