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2021年、中国が再び「世界経済の牽引役」を担うのか? それとも…

社会主義国特有の「スピードと強制力」で

「習近平色」に染まった決議文

先週16日から18日まで、北京で中央経済工作会議が開かれた。

社会主義国の中国では、毎年この季節に、翌年の経済方針を定める中央経済工作会議を、3日ほどかけて行う。いわば一年を締めくくる行事だ。

参加者は、中国共産党中央政治局委員(トップ25)、中央書記処書記、全国人民代表大会常務委員会幹部、国務委員、最高人民法院長、最高人民検察院長、全国人民政治協商会議幹部、中央軍事委員、各省・自治区・直轄市・計画単列市(中央と地方の二重管理都市)、新疆生産建設兵団党政幹部、中央・国家機関関連部門・関連人民団体・中央直轄の一部金融機関・企業幹部、中央軍事委員会機関各部門幹部など、計200人あまりだ。

中央経済工作会議は本来、国内の経済問題を統括する国務院総理――李克強首相が招集する会議だ。だが、習近平政権が発足して3年目の2015年から、習近平主席が「主催席」に陣取ってしまった。

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その年に、「供給側構造改革」を決議した。それまでの中国は、輸出・投資・消費という「3頭馬車」が牽引してきたが、これは主に需要サイドを喚起する経済成長モデルだった。だが、もはや高度経済成長は期待できないため、これからは供給側を喚起し、「3つの除去と1つの下降と1つの補填」を進めていくとしたのだ。

すなわち、生産過剰の除去、在庫過剰の除去、金融リスクの除去、生産コストの軽減、貧困層への補填である。

何やら難しい用語が並ぶが、私は当時、「要は李克強首相の市場経済路線から、習近平主席の社会主義路線に変更するのだな」と解釈していた。そもそも習主席は、李首相が信頼できないから、自ら中央経済工作会議の「指揮権」を握ったに違いないのである。この二人は、いつも逆の方向を向いている気がする。

以後はこの5年間、完全に習主席主導で中央経済工作会議が開催されてきた。今回も、新華社通信やCCTV(中国中央広播電視総台)の報道を見る限り、李克強首相の主な役回りは、まるで忘年会の一本締めをやるように、すべての重要決議がなされた後、参加者たちに向けて、以下の呼びかけを行うことだったようだ。

「全党の同志は、習近平同志を核心とする党中央の周囲に緊密に団結し、心から協力し、進取の精神を開拓しよう。優秀な成績をもって建党100周年(2021年7月1日)を迎え、社会主義現代化国家を全面的に建設し、中華民族の偉大なる復興という中国の夢の実現に向けてたゆまず奮闘しよう!」

 

中央経済工作会議の決議文にも、「李克強色」は、ところどころ散見される程度だ。残りは全面的に「習近平色」に染まっている。以下、新華社通信が報じた決議文の内容をもとに見ていこう。

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