自分の子供が発達障害ではないかと思ったとき、あるいはグレーゾーンにいるのではないかと感じたとき。親はどう対処したら良いのか。実際にADHD(注意欠如・多動症)と診断され、今年7月に『発達障害サバイバルガイド』(ダイヤモンド社)を出版した借金玉さんの視点から教えてもらった。大事なのは、今この瞬間周囲についていくことよりも、長期スパンでゴールを設定することのようだ。

特別学級に入れるのを躊躇ってはいけない

――自身が発達障害を持つ子供だった経験から、親にこう対応してもらえると助かる、ということは何でしょうか?

よく発達障害傾向の強いお子さんを持つ親御さんから相談されるのが、「子供が特別学級に入れられそうだ」というものなんです。それで、何とか一般学級に残れないものか、と。そのとき僕は、判で押したようにこう答えています。「特別学級のほうがどう考えても教育の質が高くてお得なので、とっとと特別学級に行ったほうが将来的にいいですよ」と。

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だって、30人に教える一般学級より、5人とか6人とか少人数に教える特別学級のほうが、圧倒的にケアが細やかになるじゃないですか。発達障害を抱える子供が社会で生き残っていくために、何より必要なのは学力。ならばその学力をつけやすい学級に行ったほうが絶対にいい。タダなんだし早くお得なほうに行きましょうよ、と親御さんに言うと、大抵キョトンとした顔をされるんですけど。

――親御さんからすると、特別学級に行くことは一般的なレールから外れる、というイメージが強いのでしょうね。

私が人生で後悔しているのが、高校を退学しなかったことなんです。ギリギリ卒業できる出席日数を得るために、行きたくもない学校に行きましたけど、あの時間ほどムダなものはなかった。あの時間を、単位制の高校に行ったり、高校認定試験を受けて大学受験勉強に回せば、もう少しいろいろなことがスムーズにいったんじゃないかと、今でも思うことがすごくあるんです。

もちろん、みんなと足並みそろえて一般的なレールを歩いていく、これができれば素敵だと思います。でも発達障害を抱えた子には難しい。けれども、ゴール時に帳尻を合わせる、ということはできると思うんです。たとえば小学校にちゃんと通っていろんな科目で上位何割かに入る、というようなレベルを目指すとなると、多分発達障害の子供はほとんどがこぼれ落ちてしまうと思います。

でもその目標を「高校3年時点で大学進学に充分な学力を有している」ということに設定すると、追いつける子はかなりいるんです。どうか、そういう長期スパンで見てほしいなと思います。なんなら「二十歳」でも全然いい。