なぜか机の上が散らかってしまう、遅刻してしまう、締め切りが守れない……。発達障害の人は、皆が当たり前にやれていることが上手くできない、と言われる。そのため自分を責め、周囲に追いつこうと頑張り過ぎ、メンタルを壊してしまうことも多い。が、これは発達障害の人に限ったことではないのではないだろうか。ADHD(注意欠如・多動症)の症状を持つ借金玉さんは、「誰もがもう少しズルく生きていい」というメッセージを発信している。双極性障害を発症し、商売に失敗し2000万円の借金を抱え、何度も死ぬことを考えた過去から、どうやって今を生き抜くサバイバル術を習得し、今年7月に『発達障害サバイバルガイド』(ダイヤモンド社)を出版するなど、不動産営業と作家の二足のわらじを履くことを可能にしたのか。話を伺った。

「上手くやろう」としなくていい

――発達障害の診断を受けるほどではないけれども、ついついやるべきことを先延ばしにしてしまったり、いつもとっ散らかってアタフタしたりで、「自分はダメだなあ」と責めてしまう人って多いと思うのですが……。

発達障害というのはカチッと決まったボーダーラインがあるわけではなく、グラデーションなので、結局のところ診断されるかどうかはその人の“困り”度合いによってきます。症状としてはけっこう重たくても、環境が合っていたり、その人の努力が上手くいっていたりすると、診断をとらないまま今日まできている、ということもよくあります。逆に健常者と言われるレベルであっても、環境が合わず「完全に発達障害だ」となってしまうこともあるでしょう。

――そういう“ちょっと上手くやれない人”が働くうえで、心掛けておくといいことは何でしょうか?

もうこのひと言に尽きるのですが、「言われた通りに一生懸命マジメにやろうとしない」、ということです。だいたいの上司や先輩って、「規定通りにやれ」と言うんですよ。だけど規定通りにやろうとして上手くできないわけですから、そう言われても難しい。すると「もっと頑張れ」と叱られるんです。「5やってダメなら10やれ」と。でもこれを真に受けて10やると、クラッシュしてしまうだけです。

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もちろん人生には、力技で乗り切らなければいけないときもあります。ただそれは、あと一歩で何とかなる、というとき。全然そんなレベルではなくて、根本的に上手くできていないときは、上の人の言う通り頑張っても解決しません。

それよりも、もっとズルいやり方はないか、裏ワザはないか、そう考えることのほうが有効です。とにかく“斜にかまえる”と言いますか。私もそうだったのですが、最初の職場で先輩の言葉を真に受け一生懸命やろうとしてしまい、壊れてしまったんですよね。もっと斜にかまえて乗り切れば良かったんですけど……。