「毒親」という言葉がある。「毒」とまで言わずとも、「なぜこんな嫌なことを言ってくるの?」「なぜこんなことするの?」と親の謎の行動に悩む人は少なくないのではないだろうか。では、もしそれが「義理の親」だった場合はどうなるだろうか。望んで結婚した夫婦だって、「家族」として分かり合うにはお互いへの思いやりやコミュニケーションが大切だ。できる限り歩み寄り、それでもどうしようもないときも時にはあるだろう。それが「義理の親」となると、問題はさらに複雑になってくる。

一人っ子同士で結婚した上松容子さんも、義母の行動に振り回され、悩んでいた一人だ。夫の母ゆえにきちんと付き合いたいと思い、違和感を抱きながらも日々起こる謎の問題になんとか対応していくしかなかった。闇の中を手探りするようなその過程を伝えていき、実は多くの人が悩んでいるといわれる「義理の親」問題を考えていく新連載「謎義母と私」、第2回は義母の驚きの「家事ルール」についてお伝えする。なお、上松さん自身もペンネームであり、個人が特定されないように名前は仮名としたドキュメンタリーである。

容子    20代後半で結婚。現在50代
夫     容子と同い年。営業職
義父       東京近郊在住 大正生まれ 中小企業社長
義母トミ子 昭和ヒト桁生まれ 元看護師 専業主婦
上松容子さん連載「謎義母と私」第1回の記事「『あんたたしか自分勝手』新妻が困惑した義母の『謎の行動』」はこちら

「料理自慢」の義母

義母・トミ子は「料理自慢」だった。夫の実家では、食事のたびに数多くの惣菜が小皿にのって出てきた。私の育った家の食事は大皿料理が多く、自分で好きなだけ皿に取ることになっていたので、文化の違いだなあと感じた。おかずが個別に供されるのは義父が求めるスタイルで、皿数が多ければ多いほど満足するらしかった。義母はキッチンと居間を忙しく行き来して、卓上を皿で埋めていった。

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結婚して初めての年末、夫の実家でおせち料理の手伝いをした。黒豆や鬼殻焼きなどメインメニューは市販のものを買ってきたが、義母お手製の品もあった。そのひとつが伊達巻。

「容子さん、伊達巻を作りましょう」

声をかけられて、わあ嬉しい、と応じた。レシピは大まかに知っていたが、自分で作ったことはなかったから、教えてもらえるならラッキーだ。