「嵐」人気の理由、ファンの声は…

驚いたのは、その答えの種類が無数といっていいほど多かったことだ。「仲良しなのがいい」と言う人もいれば、「競争するのではなく個を尊重する集団」と言う人もいる。また「嵐は女性が台頭した社会に生まれた新しい男性アイドル像だ」とフェミニズム論にまで及ぶ意見すらあった。

これはどうやら、嵐の人気をひと言で掴もうなどと考えたこと自体が、間違いだったようだ……。

今回のアンケートでは老若男女問わず、幅広い世代のファンのみなさまにご協力を仰ぎ、歴代のCDやDVDを見て思い出を語っていただいた。写真提供/嵐ファンOさん(50代男性)

そこであらためて、ファンからのアンケートを分析し、そこから見えてきたいくつかのキーワード別に、彼らの人気理由を深く探っていきたいと思う。果たして、平成を駆け抜けた嵐という存在は一体何だったのか? まずは、もっとも多かった「嵐は癒しである」という声について、掘り下げてみたい。

ファンの方たちに投げた質問は、「自分にとって嵐とはどういう存在だったのか?」と「あの絶大な人気の理由は何だったと思うか?」というものだ。その中で、「癒し」を鍵として答えた何人かの声を紹介したい。

「5人を見ていると、ほっこりして、日々のストレスやしがらみやイラつきが癒される。とくに『マイガール』の相葉くん。相葉くんは私の理想(きっぱり)」(30代女性)

「本当に仲が良く、個性があって認め合っていた。毒親持ちで彼氏もいない40代。彼らの仲の良さを見ていると孤独な心境が癒された」(40代女性)

コンサートやテレビ番組、記者会見など、あらゆる場面で、常に和気藹々と楽しそうな雰囲気の彼らを見て癒されるファンは多かった。[PHOTO]gettyimages
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「5人の人柄、育ちの良さが表に出ていて、安心してファンでいられる。天狗になったり、『うわ、やばい、この人』みたいなメンバーが1人もいないのも、彼らが国民的アイドルになり、長く愛される理由」(30代女性)

「何より、いつ見ても仲が良くて、安心するしほっこりする。今でこそアイドルとか芸人でも『仲が良いです』って人が増えたけど、当時はそんなにいなかった印象があるから、先駆者だと思う」(30代女性)

「妻の影響で嵐の番組を見るようになり、15周年のハワイのコテージで号泣している大野くんと、それを温かい目でフォローする他のメンバーを見て、表面上ではなく本当に仲がいいんだなと心が暖かくなった」(40代男性)

自作で用意するうちわもコンサートの醍醐味のひとつ。ドラマや映画で演じた役名を書き「覚えてるよ」のメッセージを込めるなど、メンバーとのコミュニケーション手段となっている。写真提供/嵐ファンSさん(40代女性)
ARASHI Anniversary Tour 5×20。日本史上最大規模のライブツアーは、約1年をかけ5大ドームで計50公演を敢行、237万5000人を動員した。写真提供/嵐ファンTさん(20代女性)

中には、飼い主がひたすら犬の毛を梳いている動画とともに、「嵐を見るのは、この動画を見るのと同じ。愛に溢れている。疑似家族愛。関係性萌えなのです」とコメントを送ってきた40代女性もいた。送られてきた動画はこれだ↓

このように、嵐を見ることで「癒される」「ほっこりする」といった言葉を使った人は非常に多かった。思えば嵐がブレイクしたのは、彼らがデビュー(1999年)してから何年も経った2008年頃から。

この頃、世界はリーマン・ショックからくる不況に陥り、日本も「底が見えない」と言われる不景気を迎えていた。鬱々としていた時代に、彼らの仲良さからくるほっこり感は多くの人の心を救ったのかもしれない。

次回は『嵐と平成』にまつわるファンの声をお届けする。