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地元住民との摩擦はあるのか? 富裕層がもたらすニセコの富と現実

なぜニセコだけが世界リゾートになったのか(12)
新世界「ニセコ金融資本帝国」に観光消滅の苦境から脱するヒントがある。
ニセコ歴20年、金融コンサルタントとして富裕層ビジネスを熟知した著者・高橋克英氏による、新しい地方創生・観光論。バブル崩壊以降、本当にリスクを取ったのは誰だったのか? 『なぜニセコだけが世界リゾートになったのか 「地方創生」「観光立国」の無残な結末』より毎日連載!>今までの連載はこちら!
 

地元住民との摩擦は本当か?

ニセコにおける不動産価格の上昇により、自らの土地に新築アパートを建設したり、所有不動産を売却したりすることで潤う地元住民がある反面、静かで自然豊かなのんびりとした生活を求めていた地元住民のなかには、固定資産税の上昇、家賃や物価の高騰による家計負担増、ゴミ出しのルールなど外国人とのトラブルを嫌い、一部住民が流出する動きもあるとされる。しかし、俱知安町やニセコ町の人口動向を見る限り、流入人口も多く、その影響は全体としては数字上ほとんど確認できない。

ニセコで働くスキーインストラクターたち Photo by GettyImages

俱知安町では、町内の外国籍住民と日本人住民を対象にした「多文化共生のまちづくりアンケート調査結果」が2020年1月に公表されている。外国籍住民において、「近くに住む日本人とのトラブル経験について」(複数回答)では、たとえば、ゴミ出しのルール(15.3%)、駐車・駐輪(10.3%)、言葉の行き違い(5.4%)、建物の増改築(3.9%)、店舗や宿泊施設の営業(3.9%)、部屋からの騒音(2.0%)などが挙げられる一方、「特にない」との回答が49.8%を占めており、ほぼ半数がトラブルもなく過ごしている結果となっている

逆に日本人住民において、「外国人が関連した、近所でのトラブル経験について」(複数回答)では、ゴミ出しのルール(16.3%)、駐車・駐輪(9.4%)が同様に上位を占め、以下、部屋からの騒音(5.4%)、言葉の行き違い(3.0%)、ペット(1.9%)、部屋の使い方(1.5%)などが挙げられる一方、「特にない」との回答が48.8%を占め、外国人住民同様に、ほぼ半数がトラブルもなく過ごせている結果となっている。俱知安町の外国人増加がいわれてから時間が経過していることも背景にあるだろう。