男性に求められること=自分の存在意義

現在「Kiss」のデジタル妹誌「ハツキス」に連載中の丘邑やち代さんのマンガ『ふたりぐらし』。20日に、最新刊2巻の単行本も発売になったばかりだ。

この物語には、生きることにとても不器用な「ゆりな」と「ふみ」というふたりの女性が登場する。別の記事では、第1話とともに、原作者の丘邑やち代さんのコメントをお伝えした。

「ポジティブに」「嫌なことには声をあげよう」「女性も主張すべき」という動きがある。もちろん、それは大事なことで働きかけていくことも必要だ。でも、誰もができるわけではない。ポジティブにと思っても思えない人もいる。嫌なことに声を上げる勇気が持てない人もいる……。過去のトラウマや環境、性格なども含めて、生きるのが不器用な人は少なくない。

ゆりなとふみもそんなふたりだ。特に、ゆりなは、世間的に見たら男性にだらしなく、ふしだらと呼ばれる女性かもしれない。しかも、第1話の終わりでは妊娠の疑いまで浮上した。こんなに複数の男性と寝ていれば、いずれ妊娠だってするだろうと思いながらも、求められると拒否れない……。そこに自分の居場所を探してしまう女性だ。

(c)丘邑やち代『ふたりぐらし』(第2話より)
-AD-

予期せぬ妊娠。産む産まないを決められない

第2話での、ゆりなの対応を見て、イライラする人もきっといるだろう。予期せぬ妊娠が発覚したゆりなは、自分がどうしたいのかが、決められないのだ。

求められるまま受けいれ、すべては相手の思うまま。彼女には「自分」がないのだ。だから妊娠したことは不安なのに、どこかピンとこない。真剣さがないのではなく、彼女にとってセックスすることは、自分の存在意義を唯一確認できるものだったのかもしれない。

c)丘邑やち代 講談社『ふたりぐらし』(第2話より)

第2話でゆりなに起こる問題はとてもデリケートだ。賛否もあるに違いない。でも、読んでいて不思議と彼女を突き放すことができないのはなぜなのだろうかーー。

「ゆりなは、確かにダメな奴なんですが、でも、根っこの部分は最低な奴ではないのという思いで描いています。だから、単に最低だね、という感じには見られたくないなと。私なりに、ゆりなのダメさも肯定してほしいな、と思って描いています」というのは原作者で漫画家の丘邑やち代さんだ。