少女のミイラ「ドンセリャ」が眠っていた頂上直下の遺跡(写真:石川直樹)

15歳で生け贄に…南米アンデスの山頂で見た「凍結ミイラ」の衝撃

写真家・石川直樹『地上に星座をつくる』より

エベレストに隣接するローツェ、マカルー、K2登頂に挑み、帰国後すぐに新たな旅へ。カメラを携え、北極圏から南米まで、世界中を旅し続ける写真家・石川直樹さん。このたび7年間にわたる旅の記録を綴った『地上に星座をつくる』を上梓しました。

大雪の東京から真夏のペルーを経て、アンデス・ユヤイヤコ山へ。500年以上前にミイラとなった少女の足跡をたどる旅は、時空を超える不思議な感覚を呼びおこしたそうです。石川さんの著書『地上に星座をつくる』のなかから紹介します。

【ご注意ください】本記事の3ページ目に、アルゼンチンのサルタにある考古学博物館で展示されている少女のミイラの写真を掲載しています。

「ミイラの少女」

日本を発ったのは東京に大雪が降った翌朝だった。

雪によって道路が凍結し、空港へ向かう高速道路も閉鎖されていて、都心の交通が麻痺している。そのため予定よりも大幅に遅れて成田に着き、危うくアトランタ行きの飛行機に乗り遅れるところだった。

 

アメリカを経由して、ぼくはペルーのリマへ向かう。今から500年以上前、インカの時代に生け贄としてアンデスの山頂で命を捧げることになった少女「ドンセリャ」の足跡を辿り直すためである。

夜、リマの空港に降り立つと湿気を含んだ生温かい空気に包まれた。ペルーは真夏の盛りで、雪に覆われた東京と、このリマが同じ世界の上にあるとは思えない。

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