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菅首相が「コロナ対策」「GoToトラベル」よりも、本当に優先したかったこと

支持率は急落しているが

止まらない感染拡大

直近のメディア各社の世論調査によると、菅義偉内閣の支持率急落が際立っている。NHK調査(12月11~13日実施):支持率は前月比14ポイント減の42.4%、不支持率が同17P増の36.0%。支持率10P以上の下落は2017年7月の安倍晋三内閣(48%→35%の13P減)以来である。

時事通信社調査(4~7日):支持率は前月比5.2P減の43.1%、不支持率は同7.0P増の26.6%、共同通信社調査(5~6日):支持率は前月比12.7P減の50.3%、不支持率が同13.6P増の32.8%、毎日新聞調査(12日):支持率が前月比17P減の40%、不支持率は同13P増の49%――。

毎日調査では、菅政権発足後の調査で初めて不支持が支持を上回った。共同調査は辛うじて支持率50%をクリアしたものの、筆者の「永田町市場相場感」で言えば、菅内閣支持率は40%台前半というのが実状ではないか。

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言うまでもなく、菅首相主導で推進した「GoToトラベル」事業が新型コロナウイルス感染の拡大を招いたと国民が受け止めているのが支持率急落の理由である。方針転換を余儀なくされた菅首相は12月4日の新型コロナウイルス感染症対策本部で、年末28日から年始11日まで全国一斉に停止することを決めた。

経済社会活動再開を目指して補助金漬けの移動・宿泊促進→コロナ感染拡大→医療従事者困憊・医療崩壊への道を突き進んだ菅首相は、なぜコロナ対策とGoToトラベルを両立できると踏んだのか。

コロナ禍のなか観光・運輸事業や飲食・外食サービス産業は壊滅的な影響を受け、それは日本経済に多大なダメージを与えることになる。他方、医療従事者の困憊や重篤者の病床数不足などは深刻であるが、総合病院等医療機関を「医療ビジネス」として見れば、深刻度合いから前者を救済対象として優先すべきだ、と考えたのではないか。

菅首相がコロナ対策に手を抜いたと言っているのではない。経済ブレーンである大和総研チーフエコノミストの熊谷亮丸内閣官房参与はコロナ対策についても助言している。菅氏が熊谷氏に発する矢継ぎ早の質問は、厚生労働行政に携わる専門家のように具体的且つ詳細に及ぶというのだ。

それにしも、コロナ対策が後手に回ってGoToトラベルの年末・年始の全国一斉停止判断は遅きに失したと言わざるを得ない。

 
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