事実婚にした時点で、知子さんの適応障害の症状は跡形もなく消えた。彼女を苦しめていたのは「自分の姓が奪われしまった」こと。この一点につきるのだ。

最後に、知子さんと正雄さんはこれだけは伝えたいという。

「私達は心から愛し合っていて、本当は法律的に結婚したいんです。自分の姓を相手の姓に変えたくないからといって、愛が足りないわけじゃ決してないんです

知子さんにとって、自分のフルネームはアイデンティティだった。アイデンティティは個人が決めるものであり、他人が決めるものではないはずだ。個人のアイデンティティを国家が取り上げる――そんなことを私達は許してもよいのだろうか。

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【監修】
選択的夫婦別姓・全国陳情アクション 
事務局長 井田奈穂(いだ なほ)