吐血、そして意識不明に…。診断名は「適応障害」

仕事をしている時間以外の24時間365日、名字のことは知子さんの頭からずっと離れなかった。その結果、結婚後3ヶ月頃から知子さんには、吐き気、不眠、憂鬱、食欲不振、ベッドから出られない、などの症状が次第に出るようになってしまったという。

「夫は『俺の姓を名乗れ』とモラハラをするような人ではありません。ただ、夫の名字で呼ばれるのがどうしようもなくつらかったんです」(知子さん)

この間、正雄さんは「まさか名前のことで病気になるなんてことはないだろう」と楽観的に考えていた。しかしとうとう、正雄さんも事の重大さに気づく出来事が起きた。なんと、知子さんが吐血し、食事中に意識不明になって倒れるようになってしまったのだ。

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知子さんは精神科で適応障害という診断を受けた。医師によると、「結婚後に夫の姓に変わってから適応障害に陥る女性は多い」という。精神安定剤を処方されたものの、「根本的に治るためには、自分の姓を取り戻すのが一番」だと知子さんは医師に言われた。

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ここに至るまでに、結婚してから約半年が経っていた。精神的にも肉体的にも限界に達した知子さんは、ついにペーパー離婚を正雄さんに切り出した。

彼女の提案に、すぐには応じられなかったと語る正雄さん。だが、精神安定剤を服用しても日に日に病状が悪化していく知子さんを見るうちに、離婚する決意が次第に固まったという。決意には1ヶ月半ほどかかった。