ニセコはスキーシーズンに偏り過ぎており、グリーンシーズンも強化し、通年で賑わうリゾート地とすべきだという意見がある。ニセコにはスキー以外何もないじゃないかと、半ばやっかみのような声を耳にすることさえある。特に夏のシーズンは冬に比べて魅力が薄いと。
たしかに2018年度のニセコ町の外国人宿泊延べ数を比較しても、グリーンシーズンを主とする上期(4月〜9月)が5万7143人に対して、スキーシーズンを含む下期(10月〜3月)は16万51人と、夏と比べ3倍近い集客があることがわかる。なお、2019年度は上期5万9124人、下期はコロナ禍でも10万960人だった。
このため、ホテルやコンドミニアムや飲食店などでは、従業員の通年採用が難しかったり、スキーシーズンでは人材争奪となって人件費が高騰したり、必要な人材が確保できないといった問題が生じているという。
グリーンシーズンのニセコは閑散期だから夏場をいかに盛り上げるかが課題であり、通年型リゾートを目指すべきだとの指摘は、正論ではある。しかし、本当にそれがニセコにとって正しい選択なのだろうか。
1)ニセコはすでに夏場も魅力が多いこと、2)夏場も稼ぐのではなく冬場だけで稼げるリゾートを目指す、という視点から以下にて反論しておきたい。