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夏のニセコは魅力がない? 「通年リゾートにするべきか否か」揺れるニセコの未来

なぜニセコだけが世界リゾートになったのか(10)
新世界「ニセコ金融資本帝国」に観光消滅の苦境から脱するヒントがある。
ニセコ歴20年、金融コンサルタントとして富裕層ビジネスを熟知した著者・高橋克英氏による、新しい地方創生・観光論。バブル崩壊以降、本当にリスクを取ったのは誰だったのか? 『なぜニセコだけが世界リゾートになったのか 「地方創生」「観光立国」の無残な結末』より毎日連載!>今までの連載はこちら!
 

夏のニセコに魅力がない?

ニセコはスキーシーズンに偏り過ぎており、グリーンシーズンも強化し、通年で賑わうリゾート地とすべきだという意見がある。ニセコにはスキー以外何もないじゃないかと、半ばやっかみのような声を耳にすることさえある。特に夏のシーズンは冬に比べて魅力が薄いと。

手前に広がるのはじゃがいも畑

たしかに2018年度のニセコ町の外国人宿泊延べ数を比較しても、グリーンシーズンを主とする上期(4月〜9月)が5万7143人に対して、スキーシーズンを含む下期(10月〜3月)は16万51人と、夏と比べ3倍近い集客があることがわかる。なお、2019年度は上期5万9124人、下期はコロナ禍でも10万960人だった。

このため、ホテルやコンドミニアムや飲食店などでは、従業員の通年採用が難しかったり、スキーシーズンでは人材争奪となって人件費が高騰したり、必要な人材が確保できないといった問題が生じているという。

グリーンシーズンのニセコは閑散期だから夏場をいかに盛り上げるかが課題であり、通年型リゾートを目指すべきだとの指摘は、正論ではある。しかし、本当にそれがニセコにとって正しい選択なのだろうか。

1)ニセコはすでに夏場も魅力が多いこと、2)夏場も稼ぐのではなく冬場だけで稼げるリゾートを目指す、という視点から以下にて反論しておきたい。