提供:セブン&アイグループ
コンビニエンスストア、スーパーマーケット、百貨店、専門店などを展開するセブン&アイグループ。国内約2万2500もの店舗は社会インフラとして機能し、近年は環境に配慮した商品づくりにも力を入れています。今回は、「西武・そごう」の海外支援策、「セブン-イレブン」「イトーヨーカドー 」の環境に配慮した取り組みをご紹介します。
子ども靴がつないだ笑顔の100万足
子どもの足を守るだけでなく
健康や教育にも貢献
西武・そごうが2009年からスタートした子ども靴の下取りが、まもなく累計100万足を達成しようとしています。日本から、ザンビア共和国の子どもたちへ。私たちにもできる、支援のかたちがあります。
子どもは成長が早く、ひとつの靴を履ける期間が短い。履かなくなった子ども靴を西武・そごうに持ち込むと、下取り1点につき500円の割引券をもらえるのをご存知だろうか。
持ち込まれた子ども靴はどうなるのかというと、靴を持たないザンビア共和国の子どもたちに送られる。アフリカの中でも治安が良いザンビア共和国は、靴を確実に届ける環境が整っているという。靴の運搬や、海上輸送とコンテナの提供など、多くの企業からの協力を得て叶えられた取り組みだ。
ザンビア共和国では、自給自足で生活する農民が多く、収入は非常に低いため、子どもたちに靴を買い与えることができない家庭が多い。靴を履かないことで、破傷風や、寄生虫による感染症にかかる子どもが後を絶たない。送られた靴は子どもたちの足を守り、安心して運動ができるようになるほか、「自分の靴」を汚したくないという思いから、子どもたちには手足を洗う習慣も身に付き、衛生教育にもつながる。
活動を取りまとめる公益財団法人ジョイセフは、ザンビア共和国到着後の通関や陸送、靴の配布だけでなく、子ども靴を受け取りに来た母親たちに向けた妊娠・出産についての啓発活動を行うとともに、安全な出産のための待機場所「マタニティハウス」を建設。それには靴の輸送で使われたコンテナを利用している。
子ども靴の下取り活動は、ザンビア共和国の子どもたちだけでなく、日本の子どもたちへの教育にも貢献している。ザンビア共和国の現状や、ものを大切にすることを伝える紙芝居動画を、店頭やホームページで紹介。また靴をくれた子どもたちには感謝状を渡すなど「ものを大切にする心」や「グローバルな視点」を育むきっかけづくりとなっている。さまざまなSDGsとの関わりが隠れているのだ。
子ども靴の下取り活動の流れ
【1】西武・そごうの各店舗にて、履かなくなった子ども靴を回収する。
【2】子ども靴は丁寧に包んで、横浜の倉庫へすべて運ばれる。
【3】コンテナ船で約30日かけて南アフリカやモザンビークの港へ。
【4】港からザンビアまで、さらに2~3週間かけてトラックで運ぶ。
【5】到着した子ども靴は、ザンビアの子どもたちに配られる。
【6】靴を履いた子どもたちは安心してサッカーを楽しめるように。
新たな取り組みがはじまっています
。
セブン&アイグループの循環プロジェクト
セブン&アイグループのSDGsへの取り組みは他にも。環境負荷を削減し、限りある資源を循環させるために、さまざまな活動をはじめている。
セブンプレミアム×サラヤの
地球にやさしい洗剤シリーズ
「人と地球にやさしい」がコンセプトのSARAYAのヤシノミシリーズが、セブンプレミアム ライフスタイルとコラボ。1971年の誕生以来、ヤシの実由来の洗浄成分を使用し、洗浄剤には不要なものは入れない無香料・無着色にこだわってきた。洗たく洗剤は、汚れに高浸透しながら繊維に残らない洗浄成分「植物系ツインパワーノニオン」を配合。石油系界面活性剤・蛍光増白剤・漂白剤・着色料・抗菌剤・香料不使用で、高い生分解性を持ち、排水後は微生物によって分解され、地球に還る。セブンプレミアム ライフスタイルでは、洗たく洗剤のほか柔軟剤、薬用泡ハンドソープ、手指消毒スプレーを展開し、詰め替え用(付け替え用)も販売している。
環境負荷の高いCO2を排出しない
水素で走る小型トラック
物流と店舗における省エネルギー・CO2排出削減に向け、セブン-イレブンでは、店舗に商品を運ぶトラックの一部に、ハイブリッド型やEV等、環境配慮型の車両を導入してきた。2020年4月、栃木県栃木市で水素ステーションを併設した「チルド米飯佐野センター」が稼働を開始したタイミングに合わせ、都内で実施してきた実証実験を栃木県内の一部でもスタート。実証実験エリアを拡大することで、異なる気象条件や道路条件で走行テストを行い、将来の配送に伴うCO2の削減を目指す。採用しているトヨタ自動車『MIRAI』のFCユニットを搭載した「FC小型トラック」は、走行中にCO2等の環境負荷物質を排出しない。
店頭で回収した羽毛から作った
リサイクル グリーンダウン
2020年11月より、全国のイトーヨーカドー約70店舗で販売を開始した『GALLORIA リサイクル グリーンダウン』と『Kentリサイクル グリーンダウン』。イトーヨーカドーでは3月から、使用しなくなった羽毛布団やダウンジャケットを回収してきた。今回販売するダウンは、店頭で回収したダウン商品を再資源化し、新たな商品として発売するもの。世界的に羽毛原料が不足し、羽毛リサイクルの認知拡大の必要性が高まっている。イトーヨーカドーは、循環型社会の一助となるこの取り組みで、持続可能な社会の実現を目指していく。収益金は環境保全団体へ寄付し、社会貢献にも繋げていくという。
食品ロス削減のための
緑色のシールをご存知ですか
セブン-イレブンは、食品ロスの削減を目的として、2020年5月より『エシカルプロジェクト』を開始。これは、販売期限が近付いたおにぎりや弁当などをnanacoで購入するとボーナスポイントを付与し、すぐ食べるなら手前から商品をとってもらうことで、食品ロスの課題を一緒に考えていこうというもの。全国のセブン-イレブン店舗約2万店で実施しており(店舗により取り扱いのない場合あり)、昨年比・全国平均で1店舗あたり約2割の食品ロス削減につながっている(2020年5月11日~6月10日までの実績)。対象商品は、おにぎり・寿司、お弁当、サンドイッチ・ロールパン、麺類・グラタン・ドリア、お惣菜・サラダ、スイーツ、パンで、商品に貼られた緑色のシールが目印だ。
GREEN CHALLENGE 2050
セブン&アイグループは、2019年に環境宣言『GREEN CHALLENGE 2050』を始動。4つのテーマで2030年、2050年の目標達成に向け、取り組みを加速させている。
CO2排出量削減
グループの店舗運営において、LED照明や太陽光発電パネル、蓄電池を導入し、省エネ・再生可能エネルギーの活用することで、CO2排出量の削減に努める。2050年までに排出量実質ゼロを目指す。
プラスチック対策
レジ袋やプラスチック製容器などのプラスチックの削減に取り組む。2050年までにオリジナル商品で使用する容器は、バイオマス・生分解性・リサイクル素材・紙を使用した環境型素材100%に。
食品ロス・食品リサイクル対策
まだ食べられるのに捨てられてしまう「食品ロス」の課題解決のため、食品廃棄物を2013年度比で2050年までに75%削減し(発生原単位)、飼料などへのリサイクル100%を目指す。
持続可能な調達
オリジナル商品において環境に配慮した商品を提供するため、MSC/ASC認証や有機JAS認証、フェアトレード認証など、持続可能性が担保された食品原材料の利用を2050年までに100%へ。
【お問い合わせ】
セブン-イレブン・ジャパン ☎0120-711-372
西武・そごう ☎03-6272-7409
セブンプレミアム ☎03-6238-3000
イトーヨーカドー ☎03-6238-2111
提供:セブン&アイグループ
●情報は、FRaU2021年1月号発売時点のものです。
Photo:Shin Hamada Illustration:Yoshiko Anetai Text & Edit:Chihiro Kurimoto