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3分で読める「深読みすると怖い話」ジョンと純

高木敦史の「ショートミステリー」(3)

1話3分で読める、大人気のミステリーシリーズの最新刊『かくされた意味に気がつけるか? 3分間ミステリー 闇の中の真実』より、5日連続で中身を公開します。

犬の散歩

純は、ジョンを連れて散歩するのが日課です。

ジョンは元気で、いつも純を散歩に誘います。純は「しょうがないなあ」と思いつつも、はしゃぐジョンに付き合ってやる気持ちで、毎日散歩に繰り出し、汗だくになるまで走り回って、ヘトヘトで帰ってくるのでした。

さて、よく晴れた秋の日。この日も、夕方になるとジョンが散歩に行こうとソワソワし始めました。純は「自分も楽しみだ」という素振りを存分に見せて、ジョンを連れて散歩に出かけました。

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毎日のコースは、大まかには決まっていますが、ルートを外れることもしょっちゅうです。この日も気分に任せて、どんどんと住宅街を走って行きます。足の向くまま、風の向くまま。

でも、あっちこっちと走って行く中で、途中で突然ジョンがおかしな素振りを見せ始めました。

何度進もうとしても、頑なに行こうとしない道があるのです。

先週まではよく通っていた道なのに、どうして?

「面倒臭いなあ。でもジョンが行きたくないなら仕方ないか」と思った純ですが、正直なところ、走り回って疲れ切っていました。もう疲れたし、暗くなったし、それに何より、この道を行けば近道になるのに。

だから純は、ジョンをひっぱって無理やりその道に踏み込みました。数分後、この世のものとは思えない恐怖を味わうことになるとも知らずに……。