2014年に13年間のOL生活からライターへとキャリアチェンジ。2020年からデンマークに移住、現在はデンマーク・フィンランドの2拠点生活を送る小林香織さんの連載。今回のテーマは「国際夫婦の暮らしにおける価値観」について。結婚3年目を迎える日本人の優香(ゆうか)さんとデンマーク人のビクターさん、フルタイムで働くふたりの“相手に頼り切らない”夫婦関係とは?

SDGsランキングで世界トップ、ワークライフバランスが整い、ジェンダー平等の意識が高いデンマーク。現地で暮らすカップル・夫婦は、どのように自分たちの暮らしをマネージメントしているのだろうか。デンマーク在住5年の優香さんとデンマーク人のビクターさん夫妻への取材から見えてきたのは、ドライで合理的、けれどもチームとしての強い結束力を併せ持つ夫婦のライフスタイルだった。

フリーランスの夫とパラレルキャリアの妻

28歳の優香さんと30歳のビクターさんは結婚3年目、ふたりともフルタイムの職を持つ共働きの夫婦だ。デンマークでは共働きの夫婦が一般的であり、ふたりのように互いにフルタイムで働くこともめずらしくない。

複数の顔を持つパラレルキャリアの優香さん。その理由は、収入が第一目的ではないという 写真/優香さん提供

優香さんは、日本でマーケターやカメラマンとして働いた後、23歳のときインターンを機にデンマーク・コペンハーゲンに移住。現地での就職活動を経て、26歳から大手日系企業でスーパーバイザーとして正社員で働いている。1年前からは、日本向けにも製品を展開するスタートアップでのパートタイマーも始め、日本市場へのPR・マーケティングを担うように。頻度は少ないが、単発のカメラマンの仕事をフリーランスで請け負うこともある。

「パートタイマーは縁があって始めたのですが、収入目的というより仕事がとても楽しいので続けています。将来的には、今まで培ってきた経験を生かして自分でビジネスを始められたらいいですね。北欧のデザインに触れる中でインテリアデザインに興味が湧いてきたので、日本独自の良さや文化を伝えられるアイテムをデンマークでつくることができたらおもしろいかなと思っています」(優香さん)

夫のビクターさんは、現地でメディア専門の高等専門学校を卒業後、フリーランスのグラフィックデザイナーに。時代の流れに伴い、近年は映像編集のスキルも身に付け、テレビドラマのプロモーション映像やミュージックビデオの編集も多く手掛ける。

ビクターさんの自宅作業場。まれに優香さんがカメラマンとして彼のプロジェクトを手伝うこともある 写真/優香さん提供

「僕が働く上で一番大事にしているのは“自由”です。会社員として働いたこともありますが、少し束縛されている気持ちになりマッチしませんでした。フリーランスは、うまくいけば勤務時間も仕事内容も自分で選ぶことができる自由が得られ、自分に合ったキャリアだと感じています」(ビクターさん)

現在、ふたりはコペンハーゲンのアパートメントの一室で一緒に暮らしている。