提供:セブン&アイグループ

コンビニエンスストア、スーパーマーケット、百貨店、専門店などを展開するセブン&アイグループ。国内約2万2500もの店舗は社会インフラとして機能し、近年は環境に配慮した商品づくりにも力を入れています。セブン&アイグループが目指す、サーキュラーエコノミー(循環型経済)とは。

パートナーシップで実現した
ペットボトルリサイクルのループ

地域住民と連携した循環型経済社会を目指す

世界初の「完全循環型ペットボトル」により誕生した「一(はじめ)緑茶一日一本」。パートナー企業や自治体の協力により、新しいペットボトル回収の仕組みをつくりモデルケースとしてこれから全国展開していく予定だ。

ひっきりなしに到着するトラックのサイドパネルが開くと、四角くて大きな積み荷が見える――。ここは、茨城県南西部にある「遠東石塚グリーンペット」。四角い積み荷の正体は、ぺしゃんこに潰れたペットボトルのかたまりだ

ペットボトルの原料は、石油由来の「ポリエチレンテレフタレート」と呼ばれる樹脂だが、近年では海洋汚染や天然資源の枯渇、温室効果ガス排出の観点から、ペットボトルを含むプラスチックの処理は世界的な課題となっている。

そこで、プラスチックを“ごみ”ではなく、“資源”と捉え、再利用する取り組みがはじまっている。使用済みペットボトルを回収のルートにのせ、飲料用ペットボトルとして100%再利用する「ボトルtoボトル」だ。こうして循環させることで、持続的にリサイクルが続く。リサイクルペットボトルは、石油由来ペット樹脂を使用する場合に比べ、CO2を1本あたり約25%削減することが可能だという。

ペットボトル再デビュー待機中。「遠東石塚グリーンペット」に集められた使用済みペットボトル。大きなかたまりを「ベール」と呼び、1つあたり約400kgにもなる。ペットボトル1本あたり20~30gなので、1万3000~2万本がまとめられていることになる。

遠東石塚グリーンペットは、台湾の遠東グループと、日本の総合容器メーカー石塚硝子の合弁会社として2012年に誕生したリサイクル専門樹脂メーカー。それまで、日本で排出された廃プラスチックの多くは海外へ輸出されており、リサイクルするためのノウハウは日本に備わっていなかった。20年以上前からリサイクルに着手していた台湾の企業と組むことで、その技術を日本に取り入れたというわけだ。

「かつては年間30万トンもの廃ペットボトルが中国へ輸出されていました。しかしながら、中国では17年に廃プラスチックの輸入規制が導入され、21年にはすべての廃棄物の輸入を禁止するといわれています。行き場を失った日本の廃ペットボトルを、国内でリサイクルできるよう整えることが急務です」と、遠東石塚グリーンペットの青木聡さんは話す。

収集したペットボトルを洗浄、破砕した「フレーク」。ここから有害物質を除去したのちに溶かして、ペットボトルのもととなる再生PETレジンを作る。遠東石塚グリーンペットでは、収集から再生PETレジンを作るまでを行っている。

日本では年間60万トンものペットボトルがごみとなるが、そのうち遠東石塚グリーンペットに集まってくるのは5万トンほど。再びペットボトルの原料となる再生レジンは3.5万トン作られている。21年には工場が拡大し、年8万トンの再生レジンを生産する体制になっていく予定だ。これはPETリサイクル施設としては世界最大級の規模となる。

取材中、6年以上前のものだというリサイクルペットボトルを見せてもらうと、現在のものに比べて少しくすんでいるのがわかった。

「リサイクルでも色がつかないようにする技術が進み、現在ではきれいな透明のペットボトルを作ることができるようになりました」と、青木さん。ペットボトルを再生したレジンは、服やトレーにすることも可能だが、リサイクルのループからは外れてしまう。ボトルtoボトルは、持続的にリサイクルできる唯一の方法なのだ。それでは、我々消費者にできることは?

分別して、できればキャップやラベルを外したきれいな状態にしていただけたら。そうすると80%は再生させることができます

まさにこれを実践しているのが、セブン&アイグループの店舗に設置されているペットボトル回収機だ。セブン-イレブンでは17年にペットボトル回収機の設置を本格的に開始。洗浄したペットボトルのラベルをはがし、キャップをはずしてこの回収機に投入するとすぐに圧縮。350ml、500ml、2Lに対応し、投入本数に応じてセブン&アイグループなどで利用できる電子マネー「nanaco」にポイントが付与される仕組み。回収したペットボトルは資源化され、再びペットボトルに生まれ変わる。

こうしてボトルtoボトルで誕生した商品が、セブン&アイグループがセブン-イレブンをはじめとする約2万1500店舗で販売している「一(はじめ)緑茶一日一本」だ。遠東石塚グリーンペットと日本コカ・コーラという強力なパートナーシップを得ずしては、成しえなかった。遠東石塚グリーンペットには、自治体が回収したものと、自動販売機横に設置された回収箱などの事業系のペットボトルが集められるが、「一(はじめ)緑茶一日一本」は、セブン&アイグループの店頭で回収したペットボトルのみを原材料としてリサイクルペットボトルにし、再びセブン&アイグループの店舗で販売するという、「完全循環型ペットボトル」商品。ひとつの流通グループでリサイクルが完結する、これまでに類を見ない取り組みのボトルtoボトルとして注目されている。

「ワンウェイプラスチックではなく、持続的に循環できるこの取り組みが成立したのは、回収機の設置にご支援をいただいている日本財団をはじめパートナー企業によるサポートと、お客様ひとりひとりのご協力によるもの」と、セブン&アイ・ホールディングスのサステナビリティ推進部執行役員の釣流まゆみさん。

店舗で回収されるペットボトルは産業廃棄物扱いになってしまうが、資源物として循環させる事業のパートナーに、自治体も加わった。20年10月には、横浜市と日本財団、セブン-イレブン・ジャパンで、ペットボトル回収事業を開始。今年度中に横浜市内のセブン-イレブン120店舗でペットボトル回収機の設置を目指している。産官民が一体となった新しいペットボトル回収の仕組みは、現在までに横浜市を含む7つの自治体と協業している。セブン&アイグループが目指す「循環型経済社会」の実現に向けて、今後も拡大していく予定だ。

日本でSDGsが急速に認知されるようになった一方で、「何からはじめていいのかわからない」という声を聞くようになった。意識の高い一部の人々のものではなく、社会一般で当たり前にエシカル消費を選択できるようになるには、社会インフラとしての機能を持つ大企業の力が不可欠だろう。「手に取ったものがエシカル商品」。セブン&アイグループは、それが“当たり前”の社会をつくっていく。

 完全循環型ペットボトルの仕組み 

●ペットボトル回収機 設置店舗数・台数
774店舗 820台(2020年2月末時点)
●店頭での年間回収量(2019年度)
約365,000,000本相当(約9,800t)
※セブン-イレブン、イトーヨーカドー、ヨークベニマル、ヨークマート

【1】セブン&アイグループの店舗で、ボトルtoボトルの商品「一(はじめ)緑茶一日一本」を購入。

【2】ボトルを洗浄して、ラベルとキャップをはずしたら回収機へ。

【3】各店舗の回収機によって圧縮されたペットボトルを民間の回収業者や地元の清掃組合などが収集する。

【4】ペットボトルのリサイクラー「遠東石塚グリーンペット」で、使用済みのペットボトルを再資源化する。

【5】日本コカ・コーラの「コカ・コーラシステム」 によって製品が製造される。ペットボトル1本あたりCO2を約25%削減。

【お問い合わせ】
セブン-イレブン・ジャパン ☎0120-711-372
西武・そごう ☎03-6272-7409
セブンプレミアム ☎03-6238-3000
イトーヨーカドー ☎03-6238-2111

提供:セブン&アイグループ

●情報は、FRaU2021年1月号発売時点のものです。
Photo:Shin Hamada Text & Edit:Chihiro Kurimoto