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世界は今、“カネ余り”状態!? ニセコがコロナ禍でもゴーストタウン化しない理由

なぜニセコだけが世界リゾートになったのか(6)
新世界「ニセコ金融資本帝国」に観光消滅の苦境から脱するヒントがある。
ニセコ歴20年、金融コンサルタントとして富裕層ビジネスを熟知した著者・高橋克英氏による、新しい地方創生・観光論。バブル崩壊以降、本当にリスクを取ったのは誰だったのか? 『なぜニセコだけが世界リゾートになったのか 「地方創生」「観光立国」の無残な結末』より毎日連載!>今までの連載はこちら!
 

ワーストシナリオはないのか?

ニセコにおいてホテルコンドミニアムが錬金術商品となり、更なる投資を呼び込む原動力となっていることはわかった。とはいうものの、コロナ禍下でインバウンドはゼロ。国内需要は回復傾向にあるものの、この先のスキーシーズンにおいて海外富裕層が宿泊利用しないと、ホテルコンドミニアムにおけるインカムゲインは見込めないことになる。インカムゲインの減少が続けば資産価値も下落基調をたどり、投資が投資を呼ぶサイクルが逆回転し、ホテルコンドミニアムのビジネスモデルは崩壊する。また、コロナ禍が長引くことで世界経済が更に減速し、実体経済が疲弊し、外国人や外国資本が撤退することにより、ニセコの不動産価格も値崩れするというシナリオだ。バブル崩壊後の越後湯沢のリゾートマンション街のように、維持管理さえもできなくなり、一部がゴーストタウン化するといったワーストケースも想定される。

ホテルコンドミニアムの一例  アマンニセコレジデンス(イメージ)(出所)カンパニーレポート、マリブジャパン

しかし、ニセコの不動産価格はこの先も大きく落ち込むことはなく、投資や開発は継続されると筆者はみている。その理由は、すでに紹介し重複するが、

1)リッツやアマンなど大手外資系資本による大規模開発が現在も進行中であることによる安心感
2)ホテルコンドミニアムの仕組みと錬金術の存在
3)不動産所有者が海外富裕層中心の市場であること
そして最大の理由は、ずばり4)「世界的な金融緩和策」だ。

金融緩和により、世界中でカネ余り状態が続いており、投資が投資を呼ぶ好循環を生んでいるのだ。