ニセコにおいてホテルコンドミニアムが錬金術商品となり、更なる投資を呼び込む原動力となっていることはわかった。とはいうものの、コロナ禍下でインバウンドはゼロ。国内需要は回復傾向にあるものの、この先のスキーシーズンにおいて海外富裕層が宿泊利用しないと、ホテルコンドミニアムにおけるインカムゲインは見込めないことになる。インカムゲインの減少が続けば資産価値も下落基調をたどり、投資が投資を呼ぶサイクルが逆回転し、ホテルコンドミニアムのビジネスモデルは崩壊する。また、コロナ禍が長引くことで世界経済が更に減速し、実体経済が疲弊し、外国人や外国資本が撤退することにより、ニセコの不動産価格も値崩れするというシナリオだ。バブル崩壊後の越後湯沢のリゾートマンション街のように、維持管理さえもできなくなり、一部がゴーストタウン化するといったワーストケースも想定される。
しかし、ニセコの不動産価格はこの先も大きく落ち込むことはなく、投資や開発は継続されると筆者はみている。その理由は、すでに紹介し重複するが、
金融緩和により、世界中でカネ余り状態が続いており、投資が投資を呼ぶ好循環を生んでいるのだ。