# 新型コロナウイルス

菅首相の理念「自助、共助、公助」は早くも崩壊? 結局、コロナ禍でも「自助」頼みという現実

鷲尾 香一 プロフィール

「自助」か「公助」かの二者択一

国内でもすでに、神奈川県川崎市の「社会的処方研究所」が社会的処方の実践を試みているものの、かかりつけ医(ホームドクター)制度が発達している英国など欧州に比べ、日本ではかかりつけ医制度が発達しておらず、また、診療報酬制度の違いにより、国内への社会的処方制度の導入には課題も多い。

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共助の一つの方法として突然登場した社会的処方の今後の動向も気になるところだが、問題は新型コロナウイルス禍にあって、共助が縮小している現状では「自助」か「公助」かの二者択一となっており、公助の果たす役割が大きくなっていることだ。

公助は取りも直さず、政府の財政に直結しており、新型コロナ禍の中、政府が公助をどのように考えるのかは、経済対策や予算に如実に表れる。

1981年7月、政府の第2次臨時行政調査会(いわゆる土光臨調)が第1次答申を公表した。

この中には、「個人の自立・自助の精神に立脚した家庭や近隣、職場や地域社会での連帯を基礎としつつ、効率の良い政府が適正な負担の下に福祉の充実を図ることが望ましい」と書かれた。

「自助、共助、公助」という文言は使われていないが、「個人の自立・自助の精神に立脚した(自助)家庭や近隣、職場や地域社会での連帯を基礎としつつ(共助)効率の良い政府が適正な負担の下に福祉の充実を図ることが望ましい(公助)」を国の基本とする社会像を掲げた。

 

この答申を受け、政府は年金保険料の引き上げや児童手当の抜本的見直しなどを行っている。

奇しくも、菅政権でも同様の見直しが進んでいる。児童手当は世帯主の年収1200万円以上には支給しないことが決まった。75歳以上の後期高齢者医療費では、原則1割負担の自己負担割合を年収が200万円を超える後期高齢者については2割に引き上げることが決まった。

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