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菅首相の理念「自助、共助、公助」は早くも崩壊? 結局、コロナ禍でも「自助」頼みという現実

そもそも何を指すか判然としない

菅義偉首相は自らの政策理念として「自助、共助、公助」を国の基本とした社会像を掲げている。だが、それが何を指すのかは判然としない。菅首相が目指す自助、共助、公助とは一体どのようなものなのか。

菅首相は首相就任の際に、「自助、共助、公助」を「自分のできる事はまず自分でやる。そして地域や自治体が助けあう、そのうえで政府が責任をもって対応する」と説明している。

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そもそも、「自助、共助、公助」という考え方は、防災に対する考え方として使われたことで広まった。

1995年に発生した阪神淡路大震災をきっかけに、まずは自分や家族を守る「自助」、その上で近所や地域で助け合う「共助」、消防や警察、国や自治体の支援による「公助」という考え方が防災の標語のように使われた。

その後、政府では様々なテーマで「自助、共助、公助」という考え方を提示しているが、それは決して統一された考え方ではない。

厚生労働省だけでも、例えば「平成12年版厚生白書」では、「自助、共助、公助」を「個人(自助)、家庭・地域社会(共助)、公的部門(公助)」と説明している。

 

ところが、「平成20年版厚生労働白書」では、「自助」は国民一人ひとりの自己責任と努力、「共助」は年金や医療保険などの社会保険制度、「公助」は困窮状態に対して支給される生活保護などを指す、と説明されている。

つまり、公的部門≒社会保険制度と考えるならば、平成12年版では「公助」だが、平成20年版では「共助」と説明されており、平成20年版で示すところの「公助」はセーフティネットと位置付けられるものを指している。このように具体的な解釈が違うのだ。