「コレステロールが高いから卵をひかえる」が無意味である単純な理由とは?

誤解の原因は100年以上前の実験だった
奥田 昌子 プロフィール

飽和脂肪酸を徹底的にさけるのも問題あり

これに対して牛肉、豚肉の脂あぶらは大部分が飽和脂肪酸です。バター、生クリーム、アイスクリームなどの乳製品や、パンや焼き菓子、もちろんハンバーガーやフライドポテトなどのファストフードにもご用心。さらにスナック菓子やチョコレート、インスタント麵にはほとんどコレステロールが入っていませんが、飽和脂肪酸が豊富です。

飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の性質(『欧米人とはこんなに違った 日本人の「体質」』より)

日本で暮らす日本人と、ハワイに移住した日系移民、そして米国本土に移住した日系移民を調査した研究からは、飽和脂肪酸の摂取量も、総コレステロール値も、日本から遠ざかるにつれて高くなり、これにともなって、心筋梗塞をはじめとする心臓病の発症率が同じように上がることが確かめられました。日本を離れて欧米式の生活習慣になじみ、飽和脂肪酸の摂取量が増えるにつれて、心臓病の発症率が高まるということです。

ただし、飽和脂肪酸を徹底的にさけるのは問題です。日本人は飽和脂肪酸の摂取量が少ないと脳出血が起きやすくなることが、多くのコホート研究から明らかになっています。飽和脂肪酸にしても、悪玉LDLにしても、適切な量であれば体にとって大切な働きをしています。極端に走らず、バランスよく食べることが大切です。

(この記事は『欧米人とはこんなに違った 日本人の「体質」』の内容を再編集したものです)

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