ジョンヒョクが手打ちにこだわった麺料理を再現

「もともとはひとつの国ですので、食文化の基本的な部分は同じです。冷麺のように韓国でも広く親しまれている料理が、北朝鮮の平壌などを本場とする郷土料理であったりもします。ただし、南北が分断されてしまったため、互いに馴染みのない食文化も多々あります。『愛の不時着』においては、そういった韓国でもあまり知られていない食文化が紹介され、話題を呼ぶひとつの要因になりました。

ドラマの中にも、第2話の『カンネンイグクス(とうもろこし温麺)』や、第4話の『チョゲプルコギ(ハマグリのガソリン焼き)』、実際には登場しませんでしたがセリフとして出てきた平壌冷麺など、北朝鮮を代表する料理がたくさん登場しました。

方言による単語の違いも大きく、ドーナツを「指輪菓子(カラクチパン)」、べんとうを「箱飯(クァッパプ)」と呼ぶなど、韓国人でも「北はそう呼ぶんだ!」と驚くセリフがたびたび登場。北朝鮮らしさをうまく演出していると感じましたね」(八田さん)

イラスト/©西村オコ『あの名シーンを食べる! 韓国ドラマ食堂』(イースト・プレス)より

今回の本で再現したのは、『愛の不時着』の第2話に出てくる料理だ。北朝鮮の軍人であるリ・ジョンヒョク(ヒョンビン)がパラグライダーで軍事境界線を越えて不時着してしまったセリ(ソン・イェジン)のために作った手料理。とうもろこしの粉をこねて手打ちで麺を作り、錦糸卵や野菜などを丁寧に切りそろえて作った『カンネンイグクス(とうもろこし温麺)』。

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かっこいいのに、手料理までも!とここで沼堕ちした人も少なくない。

北朝鮮ではポピュラーな『カンネンイグクス』というみそ仕立ての麺料理。北の郷土料理であるため、韓国ではほぼ見かけません。とうもろこしを意味する「カンネンイ」も北の方言です。

ただ、韓国料理研究家の本田朋美さんが再現するに、とうもろこし麺の入手が大変でした。日本のスーパーや韓国食材店では入手できず、いろいろ探した結果、中華食材店においてあることがわかりました。完コピするなら、そういったところで麺をあたってみてみるとよさそうです。他の材料は日本でも簡単に入手できるので、ひやむぎなどを代用しても雰囲気は出るのではないでしょうか」(八田さん)