外資にあって日本資本にないものとは? ニセコが世界リゾートに躍進するワケ

なぜニセコだけが世界リゾートになったのか(4)
高橋 克英 プロフィール

真打ちアマンが進出

しかし、ニセコモイワスキー場においても、大規模な開発投資が本格化しており、2023年には世界最高級のホテルブランドである「アマンニセコ」が開業する予定だ。シンガポール資本のチャータードグループに属する投資会社「ウェルスプリング・インベストメンツ・ホールディングス」が400億円規模とされる開発資金を投入する。ニセコモイワスキー場もチャータードグループが保有しており、「ニセコモイワスキーリゾート」として、「アマンニセコ」を中核に、リフトなどの改修や周辺道路の整備などを含め、モイワリゾート全体の一体開発を予定しており、東南アジアを中心にアジア諸国の富裕層を取り込もうとしている。

アマンリゾーツは部屋数を抑えたラグジュアリーホテルチェーンだ。1988年にタイ・プーケットで最初のアマンができて以来、自然を巧みに取り入れたアマンは世界の富裕層に支持され、現在世界20ヵ国・地域に33のリゾート、ホテル、レジデンスを展開している。特に東南アジアでは、インドネシア、タイなどで幅広く展開しており、当地において絶大なブランド力を誇る。ニセコだけでなく、ニューヨーク、メキシコ・コルテス海(カリフォルニア湾)エリアにも新設予定である。

2023年開業予定の「アマンニセコ」は、東京、伊勢志摩、京都に続き日本で4施設目となるリゾートホテルだ。アマンとして国内初のスパ&ウェルネスリゾート施設となり、敷地内に30室のゲストルーム、31棟の独立型レジデンス(分譲別荘)、レストラン、スパなどを設ける。

アマンニセコ全景(イメージ) (出所)カンパニーレポート、マリブジャパン
 

建築は、「アマン東京」「アマネム」(伊勢志摩)、2019年11月に開業した「アマン京都」を手がけた故ケリー・ヒルの設計事務所が担当する。木材や石を多用し、自然の温もりと奥深さを感じられるデザインに仕上げるという。

アマンニセコは、国定公園内の斜面に建設される予定であり、自然が残る希少価値が非常に高いエリアとなる。建設予定地にあるニセコモイワスキーリゾートは、他の4つのスキーリゾートと連結していない点はデメリットではあるが、より質の高いパウダースノーを求める富裕層にとっては隠れ家的な場所となるメリットでもある。公式サイトによると、ホテル棟の30室はすべてスイートルームで、かつマウンテンビューとなる。飲食施設は、アマンがグローバル展開する和食レストラン「Nama」とイタリアン「Arva」が出店する。プライベートダイニング、バー、ウイスキー&シガーラウンジ、図書室、スキー用品店、スキー用ロッカー、ブティック、ギャラリーなども用意される。屋内・露天温泉のほかにも、広大なサーマルエリアにフィンランド式サウナ、ワッツ(WATSU)用プール、冷水プランジプール、スチームルーム、ハマム、多彩なシャワーを備える予定だ。

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