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外資にあって日本資本にないものとは? ニセコが世界リゾートに躍進するワケ

なぜニセコだけが世界リゾートになったのか(4)
新世界「ニセコ金融資本帝国」に観光消滅の苦境から脱するヒントがある。
ニセコ歴20年、金融コンサルタントとして富裕層ビジネスを熟知した著者・高橋克英氏による、新しい地方創生・観光論。バブル崩壊以降、本当にリスクを取ったのは誰だったのか? 『なぜニセコだけが世界リゾートになったのか 「地方創生」「観光立国」の無残な結末』より毎日連載!>今までの連載はこちら!

ヒルトンの「公用語」は英語

ニセコビレッジ地区も、ひらふや花園地区に負けず、「ヒルトンニセコビレッジ」を中核施設として、スキー場、ゴルフコース、高級コンドミニアム、商業施設、自然体験施設などがあり、拡張を続けている。

ニセコビレッジスキー場は、全体的に急斜面の割合が多い上級者にも人気のスキー場だ。原生林の間を縫って滑る林間コースもある。最長滑走距離5000m、総面積90‌ha、標高差890m、最大斜度32度、リフト数8、コース数27。2つのリゾートホテル、「ザ・グリーンリーフ・ニセコビレッジ」と「ヒルトンニセコビレッジ」は、スキーイン・スキーアウトが可能となっており、利便性も抜群だ。

「ヒルトンニセコビレッジ」の館内表記は、日本語より英語が先にあり、ホテル従業員も多くは外国人で、まるで「公用語」は英語だ。アメリカ、イタリア、フランス、インドネシア、香港など国籍もさまざまだ。館内の寿司屋では板前が、相手が日本人でもまずは英語で話しかけてくる。宿泊客や利用客の大半が外国人で、華僑などアジアの宿泊客も多いからだ。スキーシーズンは特に日本人の姿はほとんどなく、まさに異国のようになる。ゴルフ場が目の前にあるため、コロナ禍前までのグリーンシーズンには、韓国からのゴルフと温泉を楽しむ団体客や、バスによる北海道周遊旅行の行程としてニセコに立ち寄る中国からの団体客に加えて、夏休みを利用した日本人ファミリー客などにより賑わってきた。

ニセコビレッジを保有し運営するYTLグループは、高級レジデンスの開発などでニセコビレッジを一流のリゾート地に発展させる方針で、長期的にグループの収益向上が見込めるとしている。

実際、2014年には、高級コンドミニアムの「カサラ・ニセコビレッジ・タウンハウス」と伝統的な日本の町屋の建築をコンセプトにした「ショッピング&ダイニングエリア」を開業。2019年には、高級コンドミニアム「ヒノデヒルズ・ニセコビレッジ」を開業している。「ヒノデヒルズ・ニセコビレッジ」は、客室数79室で、宿泊者専用の温泉浴場を設けており、冬季はスキー場からのスキーイン・スキーアウトが可能となっている。スキーチューブによってリフトにも直接アクセスでき、スキーバレーも備えている。

「ヒノデヒルズ・ニセコビレッジ」に隣接するスキーチューブ (出所)マリブジャパン
 

三井不動産リアルティが販売を行っており、現地だけでなく東京でも国内富裕層向け説明会を行うなどしており、コロナ禍下であっても半数ほどが日本人を中心に売れているという。

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