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タダほど高いものはない?ネットサービス無料の「気持ち悪い」カラクリ

プライバシーが差し出されている!?
写真保存サービスのGoogleフォトは、一定の解像度以下であれば保存容量をいくら使っても無料ということもあり、なんと世界で10億人ものユーザーが利用しているという。しかし先日、この無制限保存サービスが2021年6月に終了すると発表された。過去に保存した写真については課金されないものの、新たに写真を保存する場合は容量に応じて利用料が発生する。サービスの事実上の有料化となり、ユーザーの間では大きな話題となっている。

――しかし捉え方によっては、Googleフォトの有料化は「歓迎すべき」ことかも知れないと宇田川敦史さんは言います。そもそも、なぜ多くのネットサービスは無料で使えるのでしょうか? そのカラクリと、無料サービスの背後にある「気持ち悪さ」に迫ります!
 

そもそもネットサービスはなぜ無料なのか?

Googleのサービスは、検索エンジンも、YouTube、Gmail、Googleマップも、基本的に無料で利用できる。Googleだけではない。TwitterもFacebookも、InstagramもLINEも、Yahoo!もほとんどの機能が無料だ。

これらのサービスはなぜ無料なのだろう?

検索であれ、SNSであれ、ニュースアプリであれ、その主な収益源が広告であることはよく知られている。実際、GoogleやSNSなどのWebサイトの中には、さまざまな広告が掲載されている。その中でも近年主流なのが、「行動ターゲティング広告」と呼ばれる、ユーザーごとにパーソナライズされた広告だ。

筆者はオンライン会議などで画面共有する機会も多いが、業務でニュース記事などを共有する際に、記事の横に趣味の商品の広告が表示されてしまい(怪しい商品でないにしても)、変な気まずさと同時に気持ち悪さを感じることがある。これらの広告は偶然に表示されているのではなく、ユーザーを識別して「狙い撃ち」されたものだ。しかし、なぜそのような広告が出るのか気になったり、「気持ち悪い」と感じたりしても、よくわからないままに利用して(利用させられて)いる方も多いのではないだろうか。

Googleは世界一のネット広告プラットフォーム

eMarketerによれば、世界の広告費用はインターネットに大きくシフトしており、2019年にはその割合が半数を超え50.1%に達したという。そのインターネット広告のうち、世界シェアのトップはGoogle(31.1%)である。次いで2位にFacebook(20.2%)が位置する。Googleは検索エンジンだけでなく、インターネット広告のシェアでも世界一だ

世界のデジタル広告売上ランキング(出所:eMarketer

Googleの広告とはなんだろうか? Googleの広告にはいくつかの種類があるが、ここでは特に収益の大きい「検索連動型広告」「ディスプレイネットワーク」について見てみたい。

キーワードを売る「検索連動型広告」

「検索連動型広告」とは、かつては「Adwords」と呼ばれたもので、主にGoogleの検索結果画面に表示される広告だ。「リスティング広告」とも呼ばれ、検索エンジンでユーザーが入力したキーワードに基づいて、関連する広告をリスト表示する。

広告主は、自社が広告を表示したいキーワードを指定して、「CPC(Cost per click)」と呼ばれる1クリックあたりの広告料をオークション方式で入札する。ユーザーがそのキーワードを検索すると、最も入札額が高い広告が通常の検索結果よりも上位に表示される。たとえば「やせる方法」というキーワードに対し、スポーツジムA社が100円で、健康食品会社B社が120円で入札していた場合、B社の広告が上位に表示されることになる。そしてB社はその広告のクリック数×120円を広告料としてGoogleに支払う。ここでは検索キーワードが競りにかけられているわけだ。

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