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夢の「国産ジェット」開発凍結でも、三菱重工業の株価が「上昇」しているワケ

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ボーイングにはなれなかった…

三菱重工業 (7011)が「三菱スペースジェット(旧MRJ)」の開発を事実上「凍結」したことを明らかにしたのは、10月30日のこと。国内初のジェット旅客機プロジェクトとして2008年に開発がスタートし、三菱航空機として事業を子会社してから、気付けば12年が経過していた。

全日空(ANA)からの注文を受け、当初は2013年の納入を目指して動き出した旅客機開発だが、5度の延期を繰り返し、「2020年半ばの納入も絶望的」と報じられていたところだった。

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大きな障害になっているのは、2016年、海外の専門家から旅客機の安全性および環境性能を保証する『型式証明』に適合しないことを指摘され、設計の大幅な見直しを迫られたことに端を発する。

「国産ジェットの開発を成功させることで、世界的なベストセラーとなったボーイング社の『ボーイング737』の後釜を担う地位を確立したいとの思いが三菱重工にはあったと考えられます。ちなみに、737-700型機の内側フラップの製造など、ボーイング社との関係も同社は長い。

ところが、『ボーイング737MAX』で2度の墜落事故が起こり、受注取り消しが相次いだことは、三菱重工にとっても大きなインパクトでした。直近では、コロナの影響で『ボーイング787』の減産も検討中との報道が出ています。こうしたなかで、経営計画の大幅な構造転換を迫られた結果と言えます」(経済アナリスト)

同社の発表によると、2018-20年度の前中期経営計画では、スペースジェット事業でおよそ3700億円のキャッシュアウトを行なっていた。

だが、21-23年度の新中期経営計画では、スペースジェット関連事業の予算はわずか200億円にまで圧縮されるという。95%近くのダウンだ。