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コロナ激変時代、「なぜ勉強するの?」と子供に聞かれたらこう答えよ

出口治明さんがわかりやすく語った…!

11月18日、アメリカの製薬大手「ファイザー」が開発中の新型コロナウイルスのワクチンが95%以上の有効性があると発表し、世界中が湧いた。感染が拡大している中で、様々な課題も山積しており楽観できる段階ではないが、少なくとも一筋の光は見えたと言えるだろう。やがて来るアフター・コロナの時代に向けて、今、私たちは何を考えるべきなのか?

11月14日に東京は杉並区にある光塩女子学院中等科・高等科で行われた、立命館アジア太平洋大学(APU)学長の出口治明氏のオンライン講演会の内容を紹介したい。おもに中学1年生から高校3年生の生徒と保護者向けに行われたもので、子供にも大人にもとても分かりやすく、今、日本人が考えるべき本質的なことが語られていると思うからだ。参考にしていただければ幸いだ。

 

アフター・コロナの世界とは?

出口:こんにちは! 今日は、コロナについて、それからこれからの学びについて、それから保護者のみなさんにどうやって子どもを育てたらいいかについてお話してみようと思います。

まず、コロナって何だろうと考えたら、これは、台風と同じような自然現象だと考えるのが分かりやすいと思います。ホモ・サピエンスは、地球上で20万年ほど生きてきましたが、その間にさまざまなウイルスと出会って来ました。そして今も森の奥には未知のウイルスが棲んでいて、それが何かの拍子で人間と出会い、それが毒性を持っていれば必ずパンデミックは起こります。

大きいパンデミックは大体100年に1度くらい起こっています。そして一度パンデミックが起これば、未知のウイルスに対処する方法は、ステイ・ホーム以外にありません。人間はこれ以外の方法を持っていないのです。昔も今も同じです。

一番有名なパンデミックは14世紀に起こったペストの大流行です。このときも人間はステイ・ホームをしました。その記念碑的な作品がボッカッチョの『デカメロン』です。これはステイ・ホームの物語です。そして流行が下火になれば、気をつけながら街に出ていく。ニュー・ノーマルですね。

ジョバンニ・ボッカッチョ(1313-1375年) 

日本ではニュー・ノーマルがずっと続くと思っている人がいますが、これは言葉の定義が曖昧だからだと思います。「ニュー・ノーマル」の定義を、検温、マスク、手洗い、ソーシャル・ディスタンシング、消毒、仮にこの5つくらいだと定義すれば、ウィズ・コロナの時代は、ステイ・ホームとニュー・ノーマルの間を行ったり来たりすることになります。

しかし、アフター・コロナの時代は全く違います。ワクチンや薬ができているわけですから、コロナはインフルエンザ並みの感染症になる。ステイ・ホームもニュー・ノーマルも必要がないということになります。マスクもソーシャル・ディスタンシングも必要がなくなる。カラオケ唄い放題、ハグし放題の世界になります。

医者や学者にたずねるとワクチンの開発は早いだろうと考える人が多い。世界中の研究者が歴史に名を残そうと高いモチベーションで取り組んでいるからです。因みに過去のパンデミックはだいたい二年ぐらいで終息しています。