太田裕美『木綿のハンカチーフ』松田聖子『Sweet Memories』CCB『ロマンティックが止まらない』Kinki Kids『硝子の少年』中島愛(ランカ・リー)『星間飛行』…。誰もが知っている名曲を挙げればキリがない、日本を代表する作詞家・松本隆。彼が手がけた作品を長年追いかけ続けるファンにとって、「大事件」と呼ぶべき出来事が起きた。
12月10日、松本隆の作詞活動50周年記念に際し、日本コロムビアによる特設サイトがオープンした。ファンから「心に残る松本作品とそのフレーズ」を募集する上での参考として、これまでに松本氏が作詞を手掛けた2000以上の作品リストが公開されたのだ。
これまで、松本隆作品のリストは雑誌媒体やウェブメディアを含め数々の掲載があった。だが、2000曲もの以上がまとまったリストは筆者の知る限りでは存在しなかったように思える。
そもそも、世界を見渡しても、現代ポピュラー音楽で数千曲もの録音が残っているアーティストはおそらくいないだろう。インド音楽の大家、ラタ・マンゲシュカルは数万曲の作品を残しているとされるが、厳密な集計は不明だ。
とにかく、日夜松本隆作品の研究に励む音楽ファンにとっては「モスト・インポータント・ドキュメント・オブ・ザ・センチュリー」と言っても過言ではない。そこまでのコアなファンでなくても、リストをめくれば、「ああ、この曲も松本隆の作品だったのか」と、いろいろな発見があるはずだ。
10日現在でリストに記載されている楽曲は2104曲。その中から、松本が20曲、およそアルバム20枚以上の詞を提供したアーティストをピックアップしてみた。順不同で以下の通り。
こう名前を並べてみると、現在も第一線で活躍するアーティストも多い。70年代後半にアイドルとして活躍した岡田奈々や『欽ドン!』でも活躍した中原理恵、島田奈美(現在は島田奈央子)など、名前を聞くと「あの頃」が思い出されるアーティストもいる。