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トランプついに敗北か…「最悪の事態」が起こるかもしれない

私たちは「思考停止」状態から脱せるか

トランプ大統領の反撃開始

トランプ大統領の本格的反撃は、11月9日のマーク・エスパー国防長官の解任、そして11月17日の国土安全保障省(DHS)サイバーセキュリティ・インフラセキュリティ庁(CISA)のクリス・クレブス長官の解任から始まった。

エスパー国防長官の解任は、ミネソタ州ミネアポリスで黒人男性ジョージ・フロイドさんが警官に首を圧迫されて死亡したことを受け、全土で抗議行動が発生し全米で黒人差別撤廃運動が激しさを増していた6月、トランプ大統領はデモを鎮圧、警備するために『反乱法(Insurrection Act )』(1806年)を発動して軍を出動させることを要請したがエスパー長官がそれに反対したという背景があった。

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ただそれ以上に、トランプ大統領がエスパー長官代行に指名したクリストファー・C・ミラー氏が直ちに着手した今回の大統領選挙での不正選挙疑惑をめぐる捜査などへの積極的協力を拒んだことが大きかったと思われる。

また、クリス・クレブスCISA長官は、外国勢力からの干渉や国内で偽情報を拡散させる活動から大統領選挙を守る取り組みを監督していたが、今回の大統領選挙について、「大統領選は改ざんや不正操作から守られている」と繰り返し述べてきた。

それに対して、トランプ大統領はツイートで、「2020年選挙の安全性に関するクリス・クレブス氏の最近の声明は非常に不正確だ。

既に死亡している人が投票したこと、選挙監視員が投票場への立ち入りを許可されなかったこと、投票機の不具合でトランプからバイデンに投票がすり替わったこと、期限を過ぎた投票など多くの不正があった」と指摘しており、エスパー長官と同じく、不正選挙疑惑の調査に非協力であったことが解任の理由であった可能性が高い(「ウォールストリート・ジャーナル」2020 年11月18日)。同氏が率いるCISAは、11月3日の大統領選は「米国史上最も安全だった」との声明を出していた。

 

新しく米国防長官代行となったミラー氏が11月18日の記者会見で、「スーパーパワー」と対抗するためアメリカの特殊作戦部隊は今、即時に直接ミラー氏が主導することになると発表した。

この「スーパーパワー」とは、トランプ大統領が繰り返し言及してきた「ディープ・ステート」に他ならない。

また、ミラー米国防長官代行は12月4日、国防総省高官らに助言する諮問機関「国防事業理事会」のメンバー11名(ヘンリー・キッシンジャー氏やマデレーン・ オルブライト氏らも含まれるという)を解任し、トランプ大統領の側近で元選対本部長のルワンドウスキ氏や元選対副本部長のボシー氏ら計11人を新たに指名したと発表した(共同通信配信 「西日本新聞」デジタル版)。

また、最近になって、国防総省(ペンタゴン)がバイデン政権移行チームからの接触を拒絶していることが判明した。

この引き継ぎ実務は、エスパー前国防長官を解任したトランプ大統領が送り込んだ側近のカッシュ・パテル氏が統括している(「スポニチ」デジタル版)。

このことは、トランプ大統領が以前、バイデン陣営への政権移行プロセスの一部(初期段階)を承認した、と語っていた事実とも符合している。