その状況を理解するために欠かせないのが、「排出権取引」という概念だ。
考え方やイメージを簡略化して表せば、以下の図のような形になる。キャップアンドトレードと呼ばれるが、非常にシンプルで、難しく考える必要はない。
まずは、条約や取り決めに基づき、国同士で過去の実績や削減目標などからCO2の排出可能総量(キャップ)を決める。それを国内に持ち帰り、同様に個々の企業や事業所にCO2の排出量を割り当てる。
この個々の企業の割当量を基準として、実際の排出量が少なければ余った部分(権利)を売ることができ、多ければ超過分の権利を買い取ることができるという仕組みだ。
そこで問題となるのは、「どのようにして個々の企業に排出量を割り当てるのか」という点だろう。
これも、方法論としてはシンプルで、大きくは以下の3つに分けられる。
ただ、それぞれの項目に議論の余地が多く、明確にどの方法が最適であるかを結論付けることは困難である。
簡単に説明していこう。