# 事件

金沢大学医学部「公益通報」を握り潰され、報復を受けた准教授の「実名告発」

記者に語った「私は絶対に屈しません」

暴行のでっち上げ、担当講義の削減…

企業などの不祥事による被害拡大の防止を目的とした通報は正当な行為であり、通報行為に対する事業者による報復(解雇や嫌がらせ)は法律(公益通報者保護法)で禁じられている。

だが現実は違う。企業などの不祥事を通報する者は裏切り者として内部で白眼視され、当然のように報復される。報復は、解雇や“追い出し部屋”への異動、懲戒処分などの形で行われる。

こうなると、通報者は、膨大な時間と労力、私財を費やして訴訟を起こし、解雇、処罰の不当性を法廷で立証する以外に対抗する術がない。しかも、この法律には報復行為に対する罰則規定がない。報復を禁じる法律があっても、空文化していて歯止めにならないのだ。

金沢大学医学部の小川和宏准教授は、過去に三度の公益通報を行い、大学側から暴行のでっち上げや担当講義の削減など、繰り返し報復を受けてきたとされる。小川氏は、我が身を守るため、大学側を民事、刑事で繰り返し提訴、告訴し、大学側も小川氏を何度も提訴した。

小川和宏准教授
 

小川氏の孤独な闘いは今年で14年目。今月10日には、金沢大学で小川氏に対する懲戒審査が行われ、小川氏は懲戒の不当性を強く訴えた。懲戒審査までの経緯は後述する。

小川氏は私の取材にこう語った。

「大学側は様々な事実無根の事件や口実をでっち上げて私を大学から追放しようとしてきました。しかし私は絶対に屈しません」

今年2月4日、衆議院第一議員会館で「実現させよう!公益通報者保護法の実効的改正」と題する日本弁護士連合会主催のシンポジウムが開かれた。主催者あいさつの後、最初に登壇したのが小川氏だった。小川氏は、通報当事者として体験報告を行った。