日本は定期接種が遅れがち? そして副反応とは?

2013年にHPVワクチンが定期接種になった当時、峯さんは「少し不安を感じていた」と振り返る。

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「わが国では、70年代以降、予防接種後に障害などが起こり、各地で集団訴訟が相注ぎました。国は予防接種に消極的になり、他国に比べてさまざまなワクチン政策が遅れたのです。

例えばインフルエンザワクチンは、かつて子どもたち全員が公費で打てた定期接種でしたが、今は任意接種となりました。おたふく風邪も、副反応が問題となり自己負担で受ける任意接種に。それが、子宮頸がんの予防ワクチンはすんなり定期接種となった。準備は十分だろうか?と。

私たち小児科医は、予防接種で起こりうる状況に慣れていますが、HPVワクチンは小学校6年から高校1年相当の女の子が対象ということもあり、小児科以外の科で接種するケースが出てきます。医師が先にお話ししたような予防接種の状況に慣れていなかったり、お子さんが通い慣れていない病院で打つことになると、不安や緊張からいろいろな反応が出てもおかしくない。そう感じたのです」

小児科以外で見知らぬ環境での接種で必要以上に不安を感じてしまうケースも。photo/iStock

「副反応」とは、ワクチン接種後によくない症状が起こることをいう。注射をした後に痛みや熱が出たり、注射部位が腫れたりするのは、一般的によく見られる副反応だ。重い副反応としては、稀にアナフィラキシー、ギラン・バレー症候群、急性散在性脳骨髄炎(ADEM)などがあるが、HPVワクチンだけに特別起こるというものではない。

そのほか、HPVワクチンの副反応としては、関節痛、吐き気、失神(血管迷走神経反射)などの症状が報告されている。ここで大事なことは、どんなワクチンも、導入直後は、副反応の報告が多く報告されるということ。ワクチン接種が関係して起こったことなのか、因果関係がわからないものもとりあえず報告される。この点はあまり知られていない。

予防接種では、発熱や注射した部位の腫れ・痛みなどが起こることがありますが、多くは短期間で治るものです。それから、思春期のお子さんの場合、注射への恐怖心が強いと、極度に緊張して注射の痛み、不安などから接種後に気を失って倒れる場合がごく稀ですがあります。これは血管迷走神経反射といって、強い痛みやストレスなどが原因で、血圧が急に低下して起こるとされている生理反応です。思春期の多感な女子に起こりやすいとされており、この場合には、しばらく横になって寝ていると回復します