2021.01.03
# 経営者

会社のピンチをチャンスに変えた「大成ロテック」3つの意識改革

大成ロテック、西田義則社長に聞く
大塚 英樹 プロフィール

「大成ロテック3つの誓い」を制定

そんな中、社長に就任した西田は、ビジョン「持続的成長を果たす」を掲げ、スローガン「名実ともに業界No.1を目指す」を打ち出し、「会社を創りかえる」と宣言、社員の意識改革から始めた。

課題は、(1)「信頼回復」、(2)「ビジネスモデルの変革」、(3)「技術革新」の3つ。

1つ目は「信頼回復」である。不祥事の真因は、「世のため、人のため」に仕事をするという企業文化が組織全体に埋め込まれていないことにあった。

西田は、社会貢献に見合わない利益を求めてはいけないのだということを明確に示し、社員に理解させる必要があると考え、コンプライアンス(法令順守)体制の強化に取り組んだ。まず、コンプライアンス特別対策委員会を設置。続いてコンプライアンス推進部を新設、遵法精神を醸成し、意識を変え、知識を身に着けさせようとした。

photo by iStock

さらに、西田自ら営業本部長を兼任し、コンプライアンスに基づく営業(=受注)を率先垂範して行う。18年、「談合カルテルは行いません」などから成る「大成ロテック3つの誓い」を制定した。過去の不祥事を風化させないためだった。

2つ目は「ビジネスモデルの変革」だ。工事を受注し、竣工したらそれで終わりの“工事請負”一本槍のビジネスから、社会(=顧客)課題に対応し、サービスを継続的に提供する新規ビジネスを構築。ビジネスモデルを既存と新規の二本立てとすることを決断した。

具体的には公共施設の維持修繕事業及びPFIコンセッション(長期運営権取得)事業に注力する一方、中小水力発電や建築など新規事業に経営資源を投入する。さらに、海外の公共施設市場を開拓すべく海外事業の強化に乗り出した。

3つ目は「技術革新」である。もともと同社は大型バスでも走行できる石張り舗装の構築工法、水をかけると急速硬化するアスファルト合材、ひび割れとわだち掘れの発生を抑止する高耐久アスファルトなど高い技術力を持つ。持続的成長を達成するにはさらなる技術革新が不可欠と、西田は考えた。

 

見逃せないのは、西田のビジョン徹底への強いこだわりだ。社長就任以来、頻繁に社員との対話を続けているのはそのためである。自分の言葉で語り続け、そして言行を一致させる。自分の理念や方向性通りの会社運営を実行することが、ビジョンの徹底に繋がると確信しているのだ。

西田は危機を新しい方向性を見出すチャンスとして生かすのである。

関連記事

おすすめの記事