岸信夫防衛相〔PHOTO〕gettyimages

日本がいよいよ「長射程ミサイル国産化」に乗り出した「ウラ側」

敵基地攻撃の切り札に発展する可能性も…

スタンド・オフ・ミサイルの国産化

防衛省は菅義偉政権が検討を進める敵基地攻撃に関連して、敵の射程圏外から攻撃できる長射程のスタンド・オフ・ミサイルの国産化に踏み切ることを決めた。自民党国防部会・安全保障調査会の合同会議で了承され、2021年度防衛費の概算要求に盛り込まれることになった。

菅首相は「敵基地攻撃能力の保有」の検討を求めた安倍晋三前首相の談話について「閣議決定を得ていない」(11月4日衆院予算委員会)と述べ、無視するかのような態度を示したが、実際には検討を進めていたことになる。

加藤勝信官房長官は記者会見で「防衛能力を強化するためのもので、敵基地攻撃を目的としたものではない」と理解を求めた。だが、スタンド・オフ・ミサイルが攻撃に転用できるのは言うまでもない。

初年度の開発費用は335億円。これを含めると2021年度防衛費の概算要求は5兆5205億円となり、初めて5兆5000億円を越える。イージス・アショア代替策のイージス護衛艦の建造費を含めれば、防衛費の総額は6兆円近い巨費となる見通しだ。

スタンド・オフ・ミサイルは陸上自衛隊の12式地対艦誘導弾(ミサイル)を基にして5年間かけて開発し、長射程化する。射程100数十キロメートルは延長されて300キロメートル以上になる。現在は地上発射型のみだが、護衛艦や戦闘機からも発射できるようにしてファミリー化する。

12式地対艦誘導弾能力向上型の開発ポイント=防衛省の説明資料より
 

レーダーに映りにくいステルス性も付加し、相手のミサイル対応を困難にすることで、自衛隊による攻撃の威力が上がるようにする。