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# 災害 # 事件

超至近距離で「野生のクマ」と遭遇、その時に脳裏をよぎったこと

生死をわけるのは「ほんの少しの知識」

急に立ち込めた「獣臭」

山の奥深く、林道を単独で歩いていると、突然、生き物の気配や視線を感じることがある。自分の良く訪れる関東近辺の山では、頻繁に出会うのは野生のニホンカモシカだ。

ニホンカモシカは牛の仲間であり、通常、臆病で人に危害を加えることはない。遠くでこちらを見つけてたたずんでいることが多い。しかし、その日はちょっと周囲の雰囲気が違っていた。

季節は秋、関東近郊の標高1000mほど、全行程約6時間の低山で、一人山行を楽しんでいた。山道の前後に人はいない。すると突然、茂みを揺らす「ガサガサ」っという音が鳴ったのだ。

 

目を凝らしてみても、シカの愛らしい姿を見つけることは出来なかった。そして突然周囲に漂ったのが「獣臭」。腐ったような、汗臭さのような、鼻を衝く強烈な臭いにおい。全身に一気に緊張が走る。

これは風上に熊がいる可能性が高い。熊のテリトリーに入ってしまったようだ。そういえば、今日は熊鈴を鳴らしていなかったという後悔の思いが頭を巡る。

周囲に目を配りながらも、ペースを乱さずに風下になっている人里の方へと歩を進める。いつ襲われてもおかしくない恐怖に怯えながら、一歩一歩。

幸い、この時は事なきを得たが、このような経験は一度ではない。これまでに幾度も姿は見えずとも大型の糞や樹木に残された熊の登った爪痕によって、その存在を認知することになる。熊の生息範囲は一般に思われているよりもずっと広く存在しているのだ。

そして、この経験から数年後、気配も予兆も感じずに「出会いがしら」に熊と現実に遭遇してしまったのだ。

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