ふかわりょうさん

「甘え方が絶望的に下手くそ…」ふかわりょうが感じる、他の芸人との大きな違い

ふかわりょうインタビュー後編

お笑い芸人のふかわりょうがコロナ禍に書き下ろしたエッセイ集『世の中と足並みがそろわない』(新潮社)が話題沸騰中だ。どこにも馴染めない、何にも染まれないと日常的に感じている彼が、世の中と自分の間にある隔たりについて書いている。文章やタイトルへのこだわりとは?

(取材・文:ラリー遠田、写真:飯本貴子)

 

「文章ってキリがない」

——『世の中と足並みがそろわない』を書く上で、文章表現にも相当こだわったのではないでしょうか?

自分の文章には自分の癖やリズムがあると思うので、これを受け入れてもらえたらすごく嬉しいです。自分でも何度も読み返していたんですけれど、やっぱり日によって自分の心境も変わるから、どこかで折り合いをつけなくちゃいけないんです。でも、文章って見れば見るほど何か変えたくなるから、キリがないんですよね。

——では、何回も書き直したんですか?

「ここ、どうしましょうか?」というような編集の方とのキャッチボールで決定することもあるんですけれど、壁に当てて返ってきたもので決めるみたいなところはあります。戻りが早く、食い気味になればなるほど、ああ、イライラしているな、これはもうやめようかな、みたいな。

——何回も読み返していると本当にどれが正解なのかわからなくなりそうですね。

だから、どこかで割り切るしかなくて。編集の方は僕のその癖をわかってくれていたので、一番最後の段階で原稿を出したときに「これは私が預かります」と言ってくださったんですね。「これをふかわさんが持っていると、たぶんまた家で読み返して、あそこをこうしたいとか絶対思ってしまうだろうから」って。本当に預けて良かったと思いました。