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# 地方移住

「地方移住」した元外資の60代男性、移住先で「嫌われまくった」ワケ

意外なことが起きていた

【前編】「定年後、2000万円で「地方に移住」した夫婦…その「ヤバすぎる末路」」はこちら

周囲の移住者にアピール

先頃、さる関東圏の移住人気地に、外資系企業でやり手であったとい60代の元経営者の男性Sさんが移住してきた。

できる人間であるという自負が強いほど、「余生」を静かに暮らす覚悟に至るには時間がかかるものであるが、Sさんもそうした人間の一人だったようだ。

自分の現役時代と無意識に見比べてしまうと、地方のペースがかったるくも見えて我慢がならなくもなるのだろう。とある人材派遣会社での経験を活かし、移住者の就労支援の職に就いた彼は、やれ前年同月比300%にしたのどうのと、そればかりを、訊いてもいない周囲の移住者たちにもアピールし始めたのだ。

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訊いてもおらず、関心もないのに、一方的にメールで日々の成果と手柄をアピールしてくるものだから、それを聞かされる移住者らはたまったものではない。挙げ句には、自分の娘は英国のどこどこ大学を出た、と孫自慢である。

しかし滑稽なことに、その行為が疎まれていることにSさん本人は気づいていない。周りがSさんの行動を鬱陶しく思っていることに、残念ながら当の本人は気付かないのだ――。

コロナ禍に限らず、何が背景であれ、ブームというものは、熱に浮かれた人々を呼び込むものだ。「二拠点居住」や「テレワーク」も、流れが大きくなればなるほど、これまでの本流とは別の様々な流れを巻き込むもの。

たとえば、従来までの田舎暮らしの本流が、都会での会社員勤めを終えて、余生を静かに木漏れ日のなかで過ごしていこうというリタイア層であったとするならば、コロナ禍前後の新しい流れは、Sさんのように「都会と同じことを田舎でもやってみよう」、あるいは「都会ではもう引退したけれど、田舎ならばまだまだ通用するんじゃないか」という層も呼び込んだ。