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# エネルギー

菅首相がとどめを刺す? 「ガソリンスタンド」業界がもはや“風前の灯火”だった…!

数はピーク時のほぼ半分

ガソリンスタンドの消滅が刻々と近づいている。

すでに、全国のガソリンスタンド数はピークの1994年度末からほぼ半減している。その上、菅義偉首相の「2050年までに温暖化ガスの排出を実質ゼロにする」という政府目標が“強烈な逆風”となっている。ガソリンスタンドの行く末は“風前の灯火”だ。

資源エネルギー庁によると、 2019年度末の全国の揮発油販売業者数は1万3835社で前年度末比325社減少した(表1)。

ここ10年間でもっとも減少数が多かった2013年度の1066社に比べれば、2019年度は315社と小幅な減少にとどまっているが、それでも減少に歯止めはかからない。

揮発油販売業者数の減少に伴い、ガソリンスタンド数も2019年度は前年度末比433か所減少し、2万9637か所となった。

ピークだった1994年度末の6万421か所に比べると50.9%も減少している(表2)。2015年度までの毎年度1000か所以上の減少に比べれば、小幅な減少にとどまっているものの、25年連続で減少している。

ガソリンスタンドの減少には様々な要因があげられる。1990年代には石油製品の輸入自由化により価格競争が激化し、中小の揮発油販売業者数が経営するガソリンスタンドが次々と姿を消した。

加えて、ガソリンスタンド業界も御多分に漏れず、経営者の高齢化や後継者不足、労働者不足が廃業に拍車をかけた。

また、若者の自動車離れによる自動車保有台数の減少、ハイブリット車の台頭による燃費の向上がガソリン需要の減少につながり、ガソリンスタンドの廃業に追い打ちをかけた。さらに、地球温暖化対策税導入により収益が悪化したことも見逃せない。

 

もっとも大きなダメージを与えたのが、2011年6月に改正された「危険物の規制に関する規則」だった。

この改正では、ガソリンスタンドの地下貯蔵タンクの腐食防止対策の義務化などが定められ、2013年1月末の猶予期限までに必要な対策を取らないと消防法による認可の取り消し処分を受けることになるが、地下貯蔵タンクの改修には3000~4000万円の費用がかかることから、営業の継続を断念するガソリンスタンドが続出した。