独身で働きながら、コツコツと貯金してきた老後資金を、独立系ファイナンシャルプランナーの助言に従って投資したら、なんと1千万円以上の損失を出してしまったという小島祐子さん(仮名・66歳)。「投資のことはまったくわからないので、プロにお任せすればいいと思った」という彼女を最終的に助けてくれたのは、自ら勉強し、失敗しながらも投資を続けていた女友達だった。高すぎる勉強代を払って学んだ、小島さんのお金についての思いを聞いた。

彼を信頼して始めた投資だったのに

私立大学の事務局に勤めて、職場の共済の積立貯金と、保険の外交員に勧められて始めた個人年金、そして郵便貯金で地道に老後資金を貯めていた小島さん。50代始めの頃、共済の貯金も1000万円程度貯まってきたし、郵貯の定期貯金が倍になって戻ってきたりということがあって、そろそろ老後資金のことをまじめに考えなければと思うようになった。

その頃、新聞の折り込みチラシで、証券会社に所属していない独立系ファイナンシャルプランナー(以後FP)の存在を知り、中立的な立場で話をしてくれるということだったので、まずは相談してみた。運用金額によって3万から10万円程度の年間顧問料を支払って、運用の助言をしてもらうというものだった。

「話をすると人柄も良さそうだし、顧問料を払うのだから、ちゃんとした情報をもらえるのだろうと安心したんです。契約書には『運用した資産の価値が1割以上減ったときはコンサルタント料はいりません』という文言もありました。投資とか運用とか、まったく苦手な私に変わって資産運用してくれるなら、こんなにありがたいことはないと思ったんですね」

自分がわからないからすべて変わって運用してくれるのならお願いしよう、そのスタンスだった Photo by iStock

顧客の資産を増やすために、一生懸命に取り組んでいる彼を信じて、それからは彼の「助言」にしたがって投資信託や転換社債などを購入するようになった。小島さんは転換社債の意味もわからなかったけれど、彼が薦めるのだからと資金を出した。もともと長期でじっくり投資をするつもりだったから、短期で価格が上がった、下がったということにはあまりこだわらず、FPとの面談も年に一度くらいで十分だと思っていたのだ。

ところがリーマン・ショックが来て、株価が暴落。状況が一変した。損は出るけど、今の商品は売った方がいいと言われて慌てて手放し、そのお金で今度は違う投資先に乗り換えた。それが私募債だった。東京・青山で開業するレストランのプロジェクトがあって、その資金調達のための私募債で、償還期間は2年。8%の利息をつけるということだった。

「私は長期投資を目指しているのに、たった2年の投資で、大丈夫かしらとはらはらしながらも契約したんです。リーマンで出た損失を取り戻せるように考えてくれているんだと自分で勝手に解釈していたんですね。2年経ったら、幸い無事に利息もついて戻ってきて、ホッとしました。これでやっと長期投資の運用に回せると思ったら、彼は『もう少し投資額を増やして、さらに延長しませんか?』と。また短い期間のものを勧めるので、あらっ、おかしいとは思ったんです」