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「虚偽の強姦」多発の真相…「女は嘘つき」はなぜ“定説”となったのか

女は生理のときに嘘をつく?

今年9月、杉田水脈衆議院議員が「女性はいくらでも嘘をつけますから」と発言し、物議をかもしていた頃、私は新刊の準備中で、ちょうど「女は嘘つき」説に関する史料をまとめているところだった。

「女は嘘つき」説は古今東西の史料に見ることができるが、特に日本の近代においてはほとんど定説となっていた。

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「女は嘘つき」説は女子教育者のお墨付きだった

近代日本の「女は嘘つき」説は、月経(生理)とともに語られることが多く、そのルーツをたどると、イタリアの犯罪人類学者チェーザレ・ロンブローゾにたどりつく。

ロンブローゾは、1893年に出版した『女性犯罪者 売春婦と一般の女性』において、「女性にとって嘘をつくことは生理的な現象で、特に月経時にはそれが顕著である」と説いた。

ほかにも、「女性は生来的に嫉妬深いため同性同士で憎み合うが、ほかに共通の敵となる女性がいる場合に限り友人になれる」、あるいは「残虐性も生来的なものだが相手が同性や弱者の場合にはより拍車がかかる」などと述べている。

このロンブローゾの主張を最も早い時期に日本へ紹介したのは、明治期の女子教育の権威、下田次郎である。なぜ女子教育者が、ロンブローゾの犯罪論を積極的に紹介したのだろうか。