ロンドンに住むイラストレーター クラーク志織さんの新連載「イギリスのSDGs事情ってどうなのさ?」。イギリスの人たちがSDGsの理念を日々の暮らしにどう取り入れているのかを、パンチの効いた軽妙なタッチのイラストつきでレポート! 笑いと学びのつまったコミックエッセイです。今回のテーマは、コロナ禍をきっかけにさらに絆が深まった英国民の助け合い精神について。子どもたちがお腹をすかせないように、国民みんなが協力しあった心温まるエピソードを紹介しよう。

市民の声が政府に届いたすばらしき実例

今年3月に第一弾ロックダウンが始まった際、開始から数日後には家のポストに地元ボランティア団体から「コロナ禍で何か困っていることありませんか?」という内容のチラシが何枚も投函されるようになりました。

近所でも「ボランティアは必要ですか?」といった内容の張り紙をいたるところで見かけたし、お年寄りや基礎疾患があり外出できない人のために買い物代行をしている友人もいました。

また、我が家では下の階に住む女性の提案で、同じ建物に住む住人全員のメールグループが作られ、野菜とお酒を交換したりと、各家庭で足りない食材などを交換し合うことができました。いろいろな生活用品が品薄な時期でも、みんなお酒はちゃんと確保していたな。しみじみ。

こういった助け合いの雰囲気のおかげで、突然変化した日常への不安がだいぶ和らいだのを覚えています。

そもそもイギリスは生活困窮者に食品を寄付するフードバンクと呼ばれる活動が盛んなのですが、コロナ禍により一層盛んになり、ロックダウン中にたくさんのカフェやレストランがフードバンクスへ寄付するための食品を募っていました。

息子が通うナーサリー(幼稚園)が再開すると、保護者の1人が普段からボランティアで参加しているフードバンクへの寄与が園内でも始まり、たくさんの食料がフードバンクへ届けられました。

また、イギリスにはFree School Mealといって、保護者が失業中だったり一定の世帯年収に満たない家庭の子どもたちが無料で学校給食を食べられる制度があります。

ロックダウン第一弾では学校が休校になったので、無料の給食が食べられずにお腹をすかせてしまう子どもたちが出てくる事が心配され、普段Free School Meal制度を使用している家庭にはロックダウン中にスーパーなどで利用できる子ども用ランチクーポン券が発行されました。

終わらないコロナ禍でイギリスの貧困率が急増していたため、ロックダウン終了後の夏休み期間中も多くの子どもたちがお腹をすかせてしまう事が懸念され、人気サッカー選手のマーカス・ラッシュフォード氏が、生活が困難な家庭の子どもたちのために募金活動をスタート。同時に、生活が困難な家庭には引き続きランチクーポン券の発行を続けるべきだと訴えました。それをうけて政府は夏休み中にもクーポン券の発行を継続する事に決めました。