「買い物は投票だ」という言葉を聞いたことがありますか? 世界では今、「Money Voting(お金の投票)」を合い言葉にひとりひとりのお金の力で、世界をよりよく変えていこう、そんな動きが広がり始めています。

日々、何を選んで、どんなものに自分のお金を投じるのか。それは、自分がいいと思うもの、賛同する社会のあり方にたしかな意思を表明するアクションです。あなたはどんなもの、ことに「お金の投票」をしていますか? 今回は、女優の橋本愛さんに「Money Voting」と、その思いを聞きました。

橋本愛のMoney Voting
名画座で映画を観る

ドレス ¥475000予定価格(ミュウミュウ)☎0120-45-1993 ほかスタイリスト私物

17歳くらいの頃から名画座に通い始めました。日活ロマンポルノのようなディープかつ監督の個性が輝いている映画に心酔していて。そういった素晴らしい芸術に出合いたくって、多いときは毎日のように足を運んでいました。行った名画座で大量のチラシをもらってきては、「今日は何を観ようかな、明日はこれとこれを観たいから2つの映画館をはしごしよう」なんて考えている時間が本当に好きで。いつの間にか名画座が心の支えになっていきました。

その頃は、女優としてのキャリアをスタートしたばかりで、仕事が急に忙しくなってきた時期。急激に変化していく環境や、“今”というものに乗り切れなかったんだと思います。現場に行くたびに自分の未熟さに気づいて落ち込んでいました。

“前に進もう”というエネルギーがどうしても出てこないとき、いつ行っても古き良きものに触れられる名画座は、家よりも落ち着く特別な場所でした。「世間の求めるものに追いつこうとして無理に進まなくても、一呼吸おいて止まっていていいんだよ」と教えてくれたというか。そして「ここが自分の居場所なんだ」と思わせてくれました。家でひとりで映画を観るのと違って、映画館って誰かしらまわりにいるからほっとするんです。

その時期から成長して、どんどん新しいことに挑戦し、前に進んでいきたいと思っている今も、私にとって名画座は映画の根幹に触れられる特別な場所。ストーリーにのめり込むという映画の醍醐味も味わいながら、「このカメラワーク斬新!」とか、「照明の感じが素敵だな」という視点でときめいている自分がいます。「もしかしてあの映画を意識して、オマージュしているのかな?」とか、監督の意図に気づけたときは、映画で“つながっている”感じがして、とても嬉しくなります。