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どんなに正確な時計でも場所を変えると時間がずれてしまう理由――現役東大生のサイエンス入門

「時間」と「相対論」の不思議な関係
身近な出来事から最先端の研究まで、あらゆるジャンルの科学をやさしく解説する好評連載「現役東大生のサイエンス入門」。今回は、多くの人が気にしている「時間」と「相対性理論」の関係について紹介していただきました。

どんなに正確な時計も「ずれ」てしまう理由

みなさんは、どんなに正確な時計でも、場所が違えば進み方がずれてしまうということをご存知でしょうか? 相対性理論という考え方によると、いくつかの条件の下では時間の進む速さが変わってくるというのです。

たとえば、重力によって時間の進み方が変わります。相対性理論によると、重力の強い所では時間がゆっくり進むことがわかっています。 こちらについては、過去の連載記事〈誤差「300億年で1秒」の光格子時計、何がすごい? どこに使う?〉でもご紹介しました。光格子時計を使うと、スカイツリーの展望台では地上よりも1日あたり4.26ナノ秒だけ速く時間が進んでいることがわかったのでしたね。

しかし、時計の進み方を変えるのは重力だけではありません。実は、時計が移動していても時間の進み方は変わるのです。相対性理論によると、速く移動すればするほど、止まっている状態と比べて時間はゆっくり進みます。つまり、「移動している時計は遅れる」と言えるわけです。

厳密に考えればすべての時計が移動しているともいえる Photo by Five / gettyimages

それでは、どれくらい時計の進み方は変わるのでしょうか? もちろん、普段生活している分にはほとんど違いはありません。世界最速の飛行機に乗ったとしても、まだほとんど違いはありません。

ですが、光の速さのスケールで動くとだんだんと変わってきます。光速はおよそ秒速30万キロメートルですが、この1%、つまり秒速3000キロメートル(日本の最北端から最南端までの距離と同じくらいです)で動くと、1年間で30分ほどの遅れが生じます。

まだその差は小さいと感じるでしょうか。それでは、もっと速いときを考えてみましょう。光速の99%で動いたときはどうでしょうか。この場合は、時間の進み方が約7分の1になります。例えば光速の99%で動くことのできる宇宙船に乗ったとすると、地球で1年が経っている間に宇宙船では50日程度しか経っていないということです。

なんだかこれと似たような話、聞いたことないですか?

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