くじ引きで国会議員に? 「ロトクラシー」というオルタナティブ

選挙は市民の声を反映できているか
山口 晃人 プロフィール

中高年男性のための国会

選挙制議会はしばしば、富裕層、中高年、男性といった属性の議員で占められている。

例えば、アメリカでは、日本の国会議員にあたる連邦議会議員の44%が100万ドル以上の純資産を持ち、82%が男性で、86%が白人、半数以上が弁護士や銀行員出身である(Guerrero 2014)。

日本の国会も、中高年男性議員が大きな割合を占めている。

まず、女性議員の割合は非常に小さい。有権者のうち、女性の割合は51.66%だが(総務省HPより筆者算出:2019年7月21日現在) 、国会における女性議員の割合は、衆議院では9.9%、参議院でも22.9%に過ぎない(内閣府男女共同参画局:2020年6月現在)。

次に、若い世代の議員も少ない。国会の議員定数は衆参合わせて710人(衆議院: 465人、参議院: 245人)だが、2020年12月7日現在、20代の国会議員は0人で、30代も26人(3.7%)だけだ(衆議院HPおよび参議院HPより筆者調べ)。

25歳以上の日本人人口は、2019年10月時点で、9706.1万人であり、そのうち25~29歳は6.0%(586.2万人)、30代は14.2%(1380.4万人)を占めていることを考えれば(総務省統計局HPより筆者算出)、国会では若年層の代表が明らかに不足していることがわかる。

議員の発言力には当選回数の影響が大きいことを鑑みれば、実際の人数以上に、若い議員の影響力は小さいことが推測される。

 

こうした議会構成の偏りは、そこでなされる意思決定にも影響を及ぼしていると考えられる。

例えば、アメリカの連邦議会の意思決定は、富裕層の支持する政策ばかりを実現してきた。ある政策について、貧困層と富裕層の意見が対立している場合、政策決定者は富裕層の意見に沿った政策を実現し、更に、政策に対する貧困層と中産階級の意見がほぼ一致していて、それら二つの階級の意見(つまり多数派の意見)と富裕層の意見が対立している場合も、政策決定者は富裕層の意見に沿った政策を実現している(Gilens 2012)。

日本においても、女性議員の少なさが、選択的夫婦別姓など、主に女性が関心を持っている政策が争点化されにくい原因として指摘されている(前田 2019)。

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