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苦境のレジャー業界で、元「炭鉱」の「ハワイアンズ」が今でも健在である理由

西澤社長にインタビュー

福島県いわき市の「スパリゾートハワイアンズ」を運営する常磐興産を取材した。同社は昭和期「常磐炭礦」の社名で石炭の掘削を行っていたが、主要なエネルギーが石油に変わり経営は窮地に。そこで彼らは、地域の経済と社運を賭け、当時「夢の島」だったハワイを目指した一大レジャー施設を完成させた―。

映画『フラガール』のモデルにもなった有名なエピソードだ。その後約55年。今も同社は地元と共に歩んでいた。社長はみずほフィナンシャルグループの副社長も務めた西澤順一氏(64歳)だ。

「物語」があったから

働き盛りの人々が減るにつれて、高度経済成長期に大きく増加したレジャー施設が、近年次々と閉業に追い込まれています。その中で、なぜハワイアンズは今も健在なのかと言えば、私はこの会社に「物語」があるからだと感じています。

ハワイアンズは、元々、炭鉱の方やその家族が生きるために畑違いの仕事に飛び込んで誕生したもの。

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当時も今も当社は地域最大級の雇用を生む企業で、事業が失敗したら地域経済に大きく影響します。皆、必死だったのです。

そのひたむきさは今も受け継がれていて、例えば、お客様が送迎バスに忘れ物をされると、ブワーッと走ってお渡しに行ったりします。

つい先日は、高齢のお客様が薬をお忘れになり、従業員が処方箋をくれる病院を案内するだけでなく、万一を考え、薬を受け取りに行くところまでご一緒したといいます。

 

頭で考えた経営理論にあてはめれば「人件費の問題が」となりますが、出発点から続く物語があるから、震災も乗り越え、半世紀以上事業が続いてきたのだと思います。

「引き出すこと」が社長の役目

トライアル&エラーも繰り返しています。数々の有名な芸能人の方のショーを催してみたり、「金風呂」を造ってみたり……。いろいろやる土壌があるから社会の変化に対応できたのだと思います。