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1000万円の住宅ローンで家庭が崩壊した、36歳男性の悲惨すぎる末路…

親権まで奪われ、借金だけが残った
朝の満員電車に夜遅くまで続く残業、家に帰れば住宅ローンが頭を悩ませる…。現代のサラリーマンに襲いかかる苦悩は、重く厳しい。はたして100年前の彼らは、どのように暮らしていたのだろうか? ここ100年間の「サラリーマン生活」を面白おかしくつづった新刊『サラリーマン生態100年史』から、住宅ローンで行き詰った夫婦の悲劇を、一部編集のうえ紹介したい。
 

永遠のテーマ「持ち家 or 賃貸」

岩瀬彰さんが『「月給100円サラリーマン」の時代』で、「古くて新しい問題」としているように、「賃貸か持ち家か」はサラリーマンにとって永遠のテーマです。なにしろ1916(大正5)年10月15日号の『実業之日本』で、その特集記事が組まれていたくらいですから。

その記事では金融・不動産など4人の専門家が持論を述べているのですが、3人が持ち家を勧めてます。賃貸派はひとりだけ。

この時代、すでに彼らの主張のなかに、現在いわれてるのとほぼ同じ論点が見られるところが興味深い。ある専門家は、持ち家は自分の城である、自己の居城を築くことが社会的信用を増し、立身出世につながるとする、「一国一城の主」論をすでに唱えてます。

またべつの専門家は、毎月家賃を何十年も払ったところで単に雨露をしのぐ代価でしかなく、一物も身に残るわけでない、と世間でよくいわれる説の真偽を検討しています。現在でも住宅販売業者はこの理屈を口にしますよね。家賃を払うのはドブにカネを捨てるようなものだ、ローンの支払いならいずれ自分の資産になる、と。同様の議論はすでに100年前からあったわけで、なるほどたしかに、古くて新しい問題です。

ただし同誌の1936年、39年の記事では風向きが少し変わってます。損得だけで考えたら賃貸暮らしのほうがトクと認めるものの、自尊心を満足させるという意味では家を建てるのも効果的だとしています。